(2020/3/18 05:00)
自社内生産技術を用いた省力化生産設備の外販も行う
1940年創業の三宝製作所。東京・世田谷でのスタートから現在、本社は相模原市に置く。当初は掘削に使うボーリング用部品の補修から始まり、今ではトラック関連など自動車部品鋳造・鍛造物加工量産品が主力。難削材の加工も手がける。
近年は自社内で蓄積した生産技術を用いた省力化生産設備の外販にも乗り出している。自動化や省力化設備は元々自社での生産性向上に役立てていたが、「内製による自動化ラインの構築は得意。顧客からのニーズが高まり相手先仕様の設備を供給するようになった」(高橋宏明社長)と話す。
福島への工場進出は71年で、飯館村に福島工場を設けたのが始まり。高度経済成長の中、相模原には同村からの「出稼ぎ」従業員が多く、同村への工場進出になったという。ただ2011年3月に発生した東日本大震災後の東京電力福島第1原子力発電所事故の影響もあり、飯館村の工場は従業員の避難などにより操業ができなくなった。
現在は福島県小野町に新工場を設け、2014年から段階的に稼働している。現在小野工場のスタッフは18人。磐越自動車道の小野インターチェンジ(IC)に近く、車でのアクセスが良い。福島でのモノづくりは自動車関連が主力。本社をベースに福島の人材育成にも力を入れており、高橋社長は「次につながるタネも持っている」と福島での再挑戦に意欲を持つ。
今後は福島県の沿岸部・浜通り地区で国が進める「福島イノベーション・コースト構想」に基づくロボット産業分野の集積に注目する。高橋社長は「関係機関などを通じて情報収集を進めたい」としている。
株式会社三宝製作所
連載#17
所在地 小野工場:福島県小野町大字皮籠石字鶴庭(本社:神奈川県相模原市)
社長 高橋宏明氏
設立 1940年(昭和15年)
資本金 1000万円
社員数 小野工場18人、本社工場30人
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(2020/3/18 05:00)