新型コロナウイルス感染対策におけるサーマルカメラ活用の注意点とは【PR】

(2020/3/25 23:30)

 企業の事業継続計画(BCP)のひとつとして、社内の感染症拡大の防止が挙げられる。2020年初頭から世界各国で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症により、BCPで取り組むべき重点課題となった。ネットワークカメラを通じて感染症拡大の防止を提案するコニカミノルタジャパン(東京都港区)に話を聞いた。

検知時は赤枠で通知(サーマル+可視画像)

―新型コロナウイルスの感染防止策として、サーマルカメラの引合いが増えているそうですね。

 「2月に入ってからお問合せが増え始めました。3月に入ってからは毎日対応に追われています。総務部や経営に近い立場の方、安全に関わる部署の方からのお問合せが多いです」

―サーマルカメラと言えば以前問題になりました重症急性呼吸器症候群(SARS)などでも、各メディアで見かけることがありました。感染症防止に有効だということでしょうか?

 「感染症対策としてどのような位置づけかをご理解いただいた上で、使っていただくことがポイントかと思います。まず、サーマルカメラではウイルス感染者かどうかは判別できません。空港などで見かけるサーマルカメラと原理的には同じで、サーマルカメラを使用する目的は『発熱している人の検出』です」

―症状として発熱した人を感染の可能性がある人として入場を制限し、特定エリア内での感染を防ぐという考えですね。つまりサーマルカメラの役割としては『手軽に体温を計測して発熱者を効率的に特定する』という認識でしょうか?

 「平たく言うとそうなります。しかしここで機能的に誤解されやすいのが、サーマルカメラというのは表面温度を測る装置になりますので、一般的に体温とされる接触式の体温計の温度とは異なる点です」

―体温ではないのですか?

 「はい。サーマルカメラで計測するのは皮膚の表面温度です。そもそも人の体は場所によって温度が異なり、手足指先や顔の表面温度は季節や環境の影響を受けやすいものです。例えば、冷たい外の外気にあたった直後だと表面温度は低めに出ますし、走るなど運動した直後だと表面温度は高めに出ます。一方、体の内部の温度である体温というのは内臓の働きを保つために本来安定しています。そのため、体の内部温度に近いものを簡単に測るために、接触式体温計でワキや口(舌下)などの場所で計測しているわけです」

―気温が低い冬場の指先は冷たいですよね。普段何気なく使っている体温計との違いは改めて勉強になります。しかしサーマルカメラが皮膚の温度を測るということは、体温は分からない、つまり発熱者は分からないということではないですか?

 「体温自体は分かりませんが、傾向として体温が高い方は表面温度も高くなります。そのため『皮膚の表面温度が高い人=発熱している可能性がある人』と見なす簡易的なスクリーニングとして使用できるのです」

―つまりサーマルカメラはあくまで可能性のある人を検出しているということですね。

 「はい。そのためサーマルカメラで高温を検知した方には、別途接触式体温計を使って正確な体温を測るように促す事が必要な場面もあるかもしれません」

発熱者検知での注意点

―今回のようなサーマルカメラを感染防止策として活用する場合の注意事項などあれば教えてください。

 「大きく二つあります。一つ目は、対象者の肌が見えることです。マスクや帽子、メガネ、サングラスを装着している場合、それら服飾品の表面温度を計測することになります。計測場所では帽子などは外していただき、『おでこ』などを出して計測しやすくしていただくことが望ましいです」

 「二つ目は測定環境の一定化です。原理的に、計測物とサーマルカメラの『距離』や『角度』が異なると計測値が変化します。計測場所が異なるとこれらの距離や角度に加え、外気温、室温など温度環境が変わるので計測値が一定でなくなります。そのため、可能な限り測定場所は固定し、対象者は一定の距離で計れるようにするなどの測定環境のセッティングが重要です。また、温度変化が激しい環境においては、定期的な機器調整が必要になります」

コニカミノルタの扱うサーマルカメラについて

M16サーマル

―貴社で扱うサーマルカメラ製品について、特徴などあれば教えていただけますでしょうか?

 「弊社で扱うサーマルカメラは独MOBOTIX(モボティクス)社製のサーマルカメラです。MOBOTIX製品は高い堅牢性をお客様に高く評価いただいております」

―機能的にはどのような特徴がありますか?

 「お客様にご好評いただいている機能を三つあげると、『2眼(にがん)』と『通知』、『録画』です」

―『2眼』とは?

 「一つの本体にレンズを二つ搭載しているモデルになります。人の目にあたるレンズが二つあることで『2眼カメラ』と呼ばれています。ウイルス感染対策としてお問合わせが多い『M16 サーマル』は、サーマルカメラ映像に加え、カラー映像も撮影できます。そのため発熱者がどの人なのかを見分けるのに役立ちます」

―確かにサーマルの映像だけでは誰か分かりませんね。『通知』はどうですか?

 「弊社のサーマルカメラはハンディタイプではないため、基本的には固定設置での使用になります。通常はモニター映像を見ているオペレーターが高温の方に声掛けをする流れになりますが、カメラは指定した温度以上を検知するとオペレーター用のパソコン画面に通知をするだけでなく、ネットワークを通じてほかの場所にいる人にも通知することができます」

―通知する先は、例えばネットワークで繋がっているほかのパソコンなどですか?

 「パソコンはもちろん、ネットワークが繋がっているスマートフォンやタブレットなどでも通知を受けることができます」

―つまり、ケースによっては現場にいない人も対応が可能になるということでしょうか?

 「はい。緊急の場合にはすぐ近くで対応することが望ましいと思いますが、時期や検知する場所によっては、離れた場所で通知確認して対応できる可能性があります」

―それは人手不足の現場では大変実用的な機能ですね。では、最後の『録画』はどういうことでしょうか?

 「もともとネットワークカメラであるMOBOTIXは、録画機能が備わっています。また、録画は数日であれば内臓のSDカードでも保存可能です」

―運用ではどのように役立つのでしょうか?

 「大勢の方がいらっしゃる場合、人物や状況の確認が難しい場合があります。その際は、録画された直前の映像を見て対象者を確認できます。また検知したタイミングだけをインデックス表示することができますので、素早く検索・再生することができます。また、場合によりますが、日々の運用改善を検討する際に実際の対応映像を確認することで、事実に沿った改善につなげることも可能です」

―最初の問いに戻りますが、感染防止に有効なのかという点についてまとめていただけますか?

 「これまでお話した通り、残念ながらサーマルカメラで100%の発熱者の検知や感染防止はできません。しかし、マスクや手洗いなどそのほかの方法でも100%の感染防止は難しいのが現状です」

 「基本的にはこれらの手段を組み合わせて防ぐのが現実的な感染症対策になると考えています。手洗いやマスク着用は個人側でも行える対策ですが、感染者を特定し特定エリアへの侵入を防ぐ行為は、企業や施設管理者など組織側でしか行えない対策だと思います。そういう意味で、危機感を持った組織関係者の方が、組織対策の一つとしてサーマルカメラの活用をご検討いただいているようです」

 「また、新型ウイルスに関わらず毎年のインフルエンザ対策にも活用できることや、消耗品ではないので、一度購入すれば長期間使用することができ、多くの人が出入りする場合は非常に効率的と言えるでしょう」

MOBOTIXとコニカミノルタジャパンについて

 ドイツ・MOBOTIX(モボティクス)は、ネットワーク監視カメラシステムの開発と製造、販売を手がける企業。コニカミノルタの出資により2016年にコニカミノルタグループ参入。コニカミノルタジャパンはMOBOTIXの日本代理店。

 M16サーマルは赤外線(サーマル)カメラであり、可視画像センサーとサーマルセンサーを備え、対象となる人や物の表面温度を可視化する。録画機能つき。価格は三脚設置ですぐ使えるパッケージが1セット約150万円(消費税抜き)で、法人のみに販売する。

サーマルカメラ、ならびにMOBOTIX製品についてのお問い合わせはこちらから

https://businesssolution.konicaminolta.jp/business/products/mobotix/index.html

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