(2020/3/31 05:00)
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響が、トヨタ自動車の生産に影を落としている。30日時点で、北米や欧州の全工場をはじめ、日本、東南アジア、インド、南米など各地で操業の休止を余儀なくされている。新型コロナの感染が世界各地に拡散し、需要の減少も顕在化。生産や販売への影響をめぐり懸念が強まっている。
トヨタは30日、ロシアの車両工場の稼働を同日から4月3日まで全面停止することを明らかにした。欧州ではすでにチェコ、フランス、英国、ポルトガル、トルコの車両5工場とエンジン3工場を停止済み。欧州はこれで全工場を休止することになる。ロシア以外の工場は、4月20日以降の再開を計画する。
北米では米国、メキシコ、カナダに構える車両・部品工場14拠点について、停止期間を4月17日まで延長することを決めた。当初は4月6日の再開を予定していた。
東南アジアでは30日、タイの車両工場で停止を決めた。トヨタの3工場とトヨタ車体の工場の操業を、4月7日から17日まで止める。ベトナムとマレーシアの工場は、3月末から当面休止する。南米ではアルゼンチン1工場とブラジル2工場の停止を4月17日、20日までそれぞれ延長する。
新型コロナの感染拡大が続けば、停止期間の延長をさらに迫られる可能性がある。また30日に全面稼働となった中国でも需要の冷え込みが顕著で、堅調だったトヨタの業績に不透明感が漂い始めている。
(2020/3/31 05:00)