(2020/4/3 05:00)
4月6日から春の新聞週間が始まる。日本新聞協会は2003年、語呂合わせが「よむ」にちなみ、4月6日を「新聞をヨム日」に制定した。秋の新聞週間とあわせ、全国各地で試読紙を配布する街頭キャンペーンなどを行っている。
1世帯当たりの購読部数は08年から1部を下回り、減少に歯止めがかからない。若者のマス媒体離れは言うに及ばず、若いころから新聞に親しんできた世代の高齢化も影を落とす。
インターネットは読者の興味が絞られ、その外側に有用な情報があっても見過ごしがち。また新型コロナウイルス感染症に絡み、デマが横行する時代だからこそ、取材先を訪問する足で稼いだ新聞情報の信頼性を再認識してほしい。
本紙の長期読者に「読み方」をうかがうと、作り手のこちらが感心させられる。小さな記事から営業先や提携先をみつけたり、社員研修のテキストに記事を用いたり、経営者の失敗談に癒やされたり…。
こうした熟練した読者層がいることは、新聞になじみの薄い世代の読者化が難しいことの裏返しでもある。紙か電子か、という単純な問題ではない。情報の価値判断や切り口の独自性、わかりやすさがますます問われている。新聞人の一人として肝に銘じたい。
(2020/4/3 05:00)