新型コロナ/車業界はマイナス大きく、製薬・食料品などプラス AIが影響予測

(2020/4/21 05:00)

  • スーパーでレジ待ちする買い物客ら(3月27日、東京都練馬区)

人工知能(AI)を駆使して企業業績の将来予測を手がけるフィンテック企業、ゼノデータ・ラボは、新型コロナウイルスの感染拡大が国内上場企業の今後の売上高や利益にどのような影響を及ぼすのかを業界別にまとめたAI予測リポートを無料公開した。

リポートでは、自動車など経済規模の大きな業界をウエート付けした場合と付けない場合の2パターンで分析を紹介している。経済規模を加味したケースでは、63業界中47業界は業績悪化につながるとの予測になり、このうち35業界はネガティブインパクトが大きいとの結果になった。

マイナスの影響度が最も大きかったのは自動車業界で、次いで商社・卸売り、エネルギーの各業界が続く。自動車はサプライチェーンの混乱に加え、従業員の出勤停止などもあり、工場の生産休止が相次いでいることが影響したようだ。自動車を含め製造業の生産ラインの稼働が落ちることで、電力や発電燃料の需要も減少する。この結果、商社やエネルギー関連業界にもマイナスの影響が働くと予測したとみられる。

一方、プラスの影響度が大きいと判断されたのは、製薬、スーパー・コンビニ、食品・飲料など10業界だった。製薬は治療薬や新薬開発、新型コロナ迅速診断キット、消毒薬などの需要の高まりが業績拡大につながるとのシナリオが示された。スーパー・コンビニ、食品・飲料業界はテレワークの導入加速、外出自粛で自宅で過ごす人が増えることで「巣ごもり消費」が大きく伸びるとの推測が働いたもようだ。

(2020/4/21 05:00)

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