(2020/4/24 05:00)
生命保険各社で営業職員に給与補償する動きが広がっている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大。営業職員は原則在宅勤務で、保全活動が中心の勤務に移行している。新規提案を自粛するなど営業活動が制限される中、給与補償を適用して生活を支援する。
日本生命保険や第一生命保険、明治安田生命保険、住友生命保険、太陽生命保険などが実施している。給与補償額については、例えば、第一生命や明治安田生命は、2019年度下期の個人の平均支給実績や直近半年の同平均などで算出している。各社いずれも、7都府県を対象とした緊急事態宣言発令後に適用を決め、それ以外の地域でも、新型コロナウイルスの影響が大きいと判断すれば、柔軟に補償対象に加えていた。先行地域であれば、4月給与分から対象にする。
給与補償の措置は基本的に地震や台風など自然災害時が多い。最近では19年10月に発生した台風19号でも適用例がある。ただ、感染症を理由とするケースは珍しく、新型コロナウイルスの影響の大きさが見て取れる。
営業職員は生保各社にとって主要な販売チャンネルの一つで、新規の提案だけでなく定期訪問によって給付金の請求漏れなどを防ぐ重要な役割を担っている。業界全体で23万人を超え、大手生保4社だけでも15万人以上を抱えている。富国生命保険も5月給与から実施する。
(2020/4/24 05:00)