(2021/6/10 00:00)
多様な価値観に配慮しながら、イノベーションの力を引き出す「ダイバーシティ経営」が注目されている。ともに手を取り合って、新しいビジネスの開拓につなげていくシーンも増えてきた。こうした取り組みに積極的な企業を紹介する。(順不同)
企業による農業への参入をサポート
ファーマーズマーケットは障がい者の農業への就労と、企業の障がい者雇用促進を両立する事業を展開しています。障がい者と企業側の農場管理者に1年間の研修を実施。自立して農業を行える環境を整える一方で、企業による農業への参入を可能にするようサポートします。
当社は農地を確保するほか、生産された農産物を販売し、収益を確保するビジネスモデルです。現在数社の企業と契約しており引き合いが増える中、大塚英雄取締役は「自治体と連携して農地を確保し、全国展開を進める」と事業の拡大を計画しています。
自分の希望に合ったオーダーメードスーツを提供
オーダースーツを手がけるシーアールエーは6月1日にLGBT(性的少数者)に特化した店舗「ファブリックレインボー」を千葉県船橋市にオープンしました。
来店しやすいように多様な業種が入居するビル内に開設し、完全予約制でプライバシーを守ります。性的区分にとらわれず、自分の体型に合ったスーツをオーダーメードで提供していきます。
社内でのLGBT教育は先行して行っており、朝礼では全社員がLGBTフレンドリー企業マニュアルを読み合わせ、半年ごとに研修を受講しています。将来は同様の店舗を全国の主要都市に設けていく予定です。
障がいを持つ人の健康と自立を支援
スナジャパンは日本パラスポーツ推進機構の運営協力など、障がい者自立支援事業を展開。全国の就労支援施設と連携し企業農園「自然の恵み」を運営しています。企業は施設用管理費を支払うのみで設備投資は不要。安全・安心・低コストで法定雇用率2.3%達成ができます。野菜は年間を通した栽培、無農薬など付加価値や高収益化を目指します。
また、耕作放棄地を活用した農業振興、森林保全にも取り組み、農林業従事者減少対策に貢献するなど企業や地域社会のSDGs達成を応援します。障がいを持つ人の健康と自立を支援し共生社会を目指します。
再生可能エネルギーを中心に社会基盤整備を提案
ブレードは持続可能な社会を目指しクリーンエネルギーの普及促進を手がけています。
2021年は秋田県で約1000kwの太陽光発電と農業を同時に行う「ソーラーシェアリング」を計画。再エネを活用してスチロール減容機「パルポKG―S」の稼働や、電気自動車(EV)車向け充電設備の運営も視野に入れています。
作業は地元の福祉施設に委託することで、雇用促進や地域経済発展に貢献をしていきます。夢のある社会実現に向けて、環境問題や一人でも多くの人の雇用機会創出で社会貢献につなげていきます。
企画・制作:日刊工業新聞社 業務局
(2021/6/10 00:00)