(2021/11/16 00:00)
環境機器の開発、設計、製造、販売を行う大阪エヌ・イー・ディー・マシナリーは、ユーザーニーズを反映した機器を開発し、中間処理施設に搬入された収集袋を破り内容物と袋を分離する破集袋機、内容部に傷を付けず破る破袋機・近年では手選別にて除去していた袋を回収する除袋機など圧倒的なシェアを持つ製品を生み出してきた。
開発型・提案型企業として成長してきた同社は今後、工場の新設も視野に次のステージに向かう方針を固めた。営業、技術の両輪で成長をけん引する力身総一郎社長、山﨑裕司取締役技術本部長は「現場を知り尽くした強みを生かして、良いモノを提供し続けたい」と口をそろえる。
現場を知り尽くす強みで、環境機器を開発
――設立以来の歩みは。
力身 センサー開発を主業務とする日本エレクトロセンサリデバイス(NED)が、機械との融合を図るために太陽鉄工(現TAIYO)グループの太陽マシナリーを譲り受け、1994年に大阪エヌ・イー・ディー・マシナリーとして設立した。NEDのセンサー技術と太陽マシナリーの機械設計技術を融合して環境分野に挑戦し、多様な機器を開発してきた。
――環境機器に集中したのはなぜですか。
力身 設立当初、毎月コンスタントに売れる製品が一つあった。「カンペコプレス」という商品名で、空き缶を圧縮、減容化する機械だった。その製品を端緒に環境プラントメーカーに教えを乞ううちに、環境機器の注文をいただけるようになった。
――そこからヒット商品となった破集袋機が生まれたわけですね。
力身 ダイオキシン問題が起きた時期に、焼却施設に持ち込まれた収集袋からダイオキシンを発生する可能性のある袋を回収できる破集袋機を協力企業の有本鉄工所と共同で開発した。ピーク時には年20-30台も売れた。競合も類似機械を出したが、精度の高さで追随を許さず、圧倒的なシェアを獲得した。その後、有本鉄工所と対等合併してわれわれはメーカーに生まれ変わり、事業手法も変わっていった。
――開発の方針は。
山崎 われわれが今まで続けてこられたのは、お客さまありきだ。ヒントは現場にしか落ちていない。お客さまが次に何を求めるか、10社あれば10個の困り事がある。それを一つにまとめ上げて1個の機械にしていく。歴史のある会社が多い環境分野に入り込めた要因は小回りが利くところにある。破集袋機を開発した当時の設計者に話を聞くと、人間や猫の動きをヒントにしたという。後の破袋機開発に於いてもハイテクではなくローテクだが、シンプルに機械に人間の引き裂く等の手の動きをさせたことで単純構造で部品点数も少なくなり、コストも安くなった。大手メーカーにはマネができない強みだ。
――今後、どんな会社を目指しますか。
力身 ステップアップしていくには、一品生産だけでなくある程度の量産ができる標準品のさらなる開発が必要になる。検査装置など新たな柱の育成を図る。今以上に多様なモノづくりを行える環境の整備も必要に応じ進める。
山崎 当社の製品はローテクでニッチ市場だからこそ、さらに設計自ら現場に出向き現場を知り他社の追随に対して抜きに出なければならない。環境機器の地歩を固める一方、センサーと機械技術の融合で他分野でも面白い製品をつくれると思う。そのためにも会社の規模を大きくするより、技術力を拡大したい。
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(2021/11/16 00:00)