生産性・柔軟性の高いシステムを共創 ロボット・自動化技術でものづくり革新【PR】

(2022/1/31 23:59)

~エプソンが取り組むマニュファクチャリングイノベーションとは~

セイコーエプソン株式会社 執行役員

マニュファクチャリングソリューションズ 事業部長

内藤 恵二郎 氏

 水平方向にアームが動作する「水平多関節(スカラ)ロボット」で世界トップシェア*(1)を誇るセイコーエプソン。さらなる事業拡大に向け、現在同社が目指しているのが「マニュファクチャリングイノベーション」だ。これは、優れたロボットを販売するだけでなく、独自のコア技術を活用して、工場における顧客の困りごとを解決するためのソリューションを提供するということ。ロボットはあくまでソリューションの一環という位置付けだ。同社は、環境負荷に配慮した「生産性・柔軟性が高い生産システム」を共創し、ものづくりを革新したいと考えている。

「省・小・精の技術」の強み

 エプソンのロボットの強みは大きく三つある。一つは、他社にはない「省・小・精の技術」だ。同社のロボットは、元々時計の製造で必要なロボットを自社開発して事業化したという背景もあり、高速・高精度の動作が特徴。部品などをマイクロメートル単位で組み付けることができる。小型精密組立工場における量産ノウハウもあり、「熟練工にしかできない作業」の自動化が可能だ。

 二つめは、グローバルに広がる販売・サービス網。同社はロボットの販売にプリンターなど他事業で培ってきた販売・サービス網を活用できる。特に、3C市場と言われるコンピューター、携帯電話、家電向けを得意とする優良代理店・SIerとの信頼関係はメリットが大きい。内藤恵二郎執行役員マニュファクチャリングソリューションズ事業部長は「(産業ロボ最大市場である)中国で大きな事業基盤を作れたのは大きな強み」と胸を張る。

  三つめは、ロボットの統合開発環境。エプソンはロボットだけでなく、パーツフィーディングシステムや力覚センサーシステム、画像処理システムなど周辺機器も併せて提供している。一般的に、ロボットを活用するには「ハード・ソフトウエアの構築に1カ月かかってしまうこともあるが、当社のシステムを使えばソフトの構築期間を大幅に短縮できる」(内藤役員)。コスト削減やワンストップサービスによる長期安定稼働につながる。

  • エプソンが目指す工場の姿 マニュファクチャリングイノベーション

事業領域を拡大

 エプソンはロボット分野における事業領域を拡大する。現在の事業領域である「組み立て」工程から、今後は「部品生産」「検査」の工程まで手がける。さらに、生産ライン構築などの「構想・導入サポート」も事業化する。

 「当社はこれまでプリンターやプロジェクターなどの最終製品を提供してきたが、それを作るための生産システムを作る力も持っている」。事業領域拡大の背景について、内藤役員はこう語る。エプソンはこれまで、独自のコア技術に基づき、商品を企画・設計・製造・販売まで自ら行う垂直統合型のビジネスモデルを前提に技術開発を進めてきた。こうしたものづくりのノウハウでさまざまな社会課題の解決に貢献できると判断。顧客の生産性向上に向けたコンサルティングなど、ロボットを活用したサービスを手がける構えだ。

 例えば、「部品生産」領域においては、エプソンテックフオルムの小型射出成形機の拡販に取り組む。元々エプソンでは、プリンター用の樹脂部品を製造する目的で小型射出成形機を開発した。

 一般的に樹脂部品を製造する企業は、経済合理性の観点から、一度に同じ部品をより多く製造できる大型の成形機を使うことが多い。ただし、消費電力が大きい事に加え、ランナーと呼ばれる廃棄するプラスチック部が多く、環境負荷低減の余地が多い。エプソンの小型射出成形機は省電力やランナー削減により二酸化炭素(CO2)排出量が削減できる*(2)など環境面でプラスの効果が見込める。現在は、樹脂材料を開発する企業などでの使用にとどまるが、今後は量産部品生産への拡大を狙う。

 ほかにも、「検査」領域においては分光カメラが主力製品と見込んでおり、プリンター技術で培った色を判別する技術を活用する。これまで人の目に頼ることが多かった色判定の検査を自動化する。ロボットと組み合わせて提供することで、顧客の生産性向上にもつながる。

内藤役員はこうした新たな事業領域への拡大を通じて「多様な生産のニーズに対して貢献していきたい」と意気込む。

足元の事業環境

 2021年度のマニュファクチャリングソリューションズの売上高は、21年4月に譲渡したICハンドラー事業を除くと、20年度比10%増の増収を見込む。中国のリチウムイオンバッテリーや太陽光パネルなどエネルギー関連の投資が引き続き旺盛。加えて、20年度に投資が冷え込んだ欧米における電気自動車(EV)向けの部品向け投資も活発になっている。

 一方、課題は部材の逼迫(ひっぱく)。特に、ロボットに使われる半導体は旧世代のものが多く、先端半導体と比べて利益率が低い。半導体メーカーは旧世代半導体の増産投資に対して消極的なため、調達が逼迫している状況だ。今後もこうした状況は続く見通しで「22年度いっぱいは続く想定で計画を立てている」(内藤役員)。

国際ロボット展に向けて

 「エプソンが変える、これからのものづくり~創業から磨き上げる自動化ノウハウで、生産プロセスを革新します~」をテーマに、「未来の工場」「現場ソリューション」という二つの展示エリアを用意する。未来の工場エリアでは、部品生産から組み立て、梱包といった一連の生産ラインのデモを設置。学校の教室程度の大きさのスペースでほぼ無人で動く。3Dプリンター、小型射出成形機などの商品群もあわせて展示し、コンパクトで柔軟性がある生産システムを見てもらえるようにする。

 現場ソリューションの展示エリアでは、最新のスカラロボットを展示するほか、人の手では時間がかかる生産工程を力覚センサーやビジョンの組み合わせで自動化したソリューションを展示。協力パートナーと当社の強みを融合した数々のソリューションも展示し、すぐにでも顧客の工場に導入してもらえるような製品・ソリューションを紹介する。

 このほか、より高速搬送を実現したスカラロボット、ロボット導入が初めてでもプログラミングしやすいソフトウエア、今まで人に依存していた色検査の自動化を実現する分光カメラなど、新製品のソリューションも展示する予定だ。

*(1) 産業用スカラロボットの2020年の数量ベースの出荷実績において(株式会社富士経済『2021ワールドワイドロボット市場の現状と将来展望』調べ)

*(2) 他社30トン機平均からのCO2削減78%。エプソンの実績をもとに想定したモデルの推計結果。

エプソンブースに関する情報

エプソンロボットHP

https://www.epson.jp/products/robots/event/2022irex.htm

会場ツアー登録フォームはこちらから(申込締め切り2月17日(木))

https://biz.nikkan.co.jp/form/epson_robotstours/

(2022/1/31 23:59)

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