産業春秋/旧統一教会との関係、統一選で見極める

(2022/8/11 05:00)

 自民党役員人事が10日決まった。麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長は留任し、政調会長に前経済産業相の萩生田光一氏、総務会長に前選挙対策委員長の遠藤利明氏、選挙対策委員長に森山裕氏が起用された

「麻生派」と「茂木派」の派閥会長の留任と、最大派閥「安倍派」の萩生田氏と「非主流派」の森山氏の登用により、挙党態勢で難局に臨む意向のようだ。「岸田派」は登用されておらず、安倍派への配慮がうかがえる

 萩生田政調会長は経産相の続投を望んでいたとされるが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が主催するパーティーに出席するなど教団と接点があり、閣僚から外したと見られる。防衛予算やコロナ禍・経済対策など山積する課題の党内調整役に落ち着いた格好だ

 今回の内閣改造では、教団と接点があった閣僚は入閣しなかった。党役員人事も同様の起用が期待されたが、閣外なら影響を緩和できると考えたのだろうか 

 岸田文雄首相は教団との関係について「自ら点検し、厳正に見直すことが新閣僚・党役員の前提になる」と指摘していた。一定の票田である教団との関係を断ち切ることは可能なのか、来春の統一地方選挙で見極める必要がある。

(2022/8/11 05:00)

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