産業春秋/被爆地の実相に触れて

(2022/8/10 05:00)

6日の広島に続き、9日に長崎が77回目の原爆の日を迎えた。9日の平和祈念式典には核保有国を含む過去最多の83カ国が列席し、黙とうを捧げた。唯一の被爆国・日本のメッセージが届かない国の存在を憂う。

「国家の主権を守る必要がある場合は(核兵器を)使用する」。ロシアのプーチン大統領は6月、いとも簡単にタブーに触れた。スウェーデンのストックホルム国際平和研究所は同月、核兵器が使用されるリスクは冷戦後で最大になったとする報告書をまとめた。

9日の式典で田上富久長崎市長は核兵器廃絶を求め、岸田文雄首相もあいさつで「長崎を最後の被爆地とし続けなければならない」と核兵器の削減と不使用を訴えた。

核兵器禁止条約に不参加の日本は現実的な核不拡散条約の重要性を強調する。米国の核の傘に入っている日本の安全保障の根幹が揺らぎかねないとのジレンマを抱える。

日本は核軍縮をいかに説得力を持って世界に訴えていくのか。日本は国連に1000万ドルを拠出して基金を創設し、世界の若者を被爆地に招くという。2023年の先進7カ国首脳会議(G7サミット)の開催地も広島だ。被爆地の実相に触れてもらうことを粘り強く続けたい。

(2022/8/10 05:00)

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