(2022/8/31 05:00)
他の論文からの引用回数が上位10%に入る科学論文の数で、日本は過去最低の12位に後退し韓国に抜かれた。文部科学省が「科学技術指標2022」で公表した。論文総数は5位につけるが、注目度の低下は深刻だ。
上位10%論文数などで首位を堅持する中国は、論文の実績やタイトルに応じてボーナスを支給するため、学生はこぞって注目度の高い論文を出そうとする。権威のあるアカデミーのメンバーになると所属する大学や学科にも大きな利点がある。
主要20カ国では論文数と国内総生産(GDP)に正の相関関係が認められるとの研究報告も。注目度の高い論文ほど相関は強くなる。論文数の成長率が高い国は中長期的にGDPの成長率も高まるとか。
人的資源が頼みの日本はこれから何を飯のタネにしていくのか。コロナ禍で露呈した格差社会の問題は「失われた30年」に産業競争力が低下する中でじわりと進行していたのだ。
論文数と密接な博士課程の学生数が減少しているのは産業界にも原因があろう。企業は新分野開拓に野心的な人材を本気で必要としているのだろうか。一方で起業する学生が増えているのは希望だ。科学技術立国を再び。今ならまだ間に合う。
(2022/8/31 05:00)
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