(2022/12/8 05:00)
「毎年の年賀状も今年限りで失礼いたしたいと思います」。高齢を理由に「年賀状じまい」をする恩師や先輩が増え、光陰矢の如しを実感する年齢になった。
多くは年賀状が近況を伝える唯一の手段という方たちだ。年賀状じまいは緞帳(どんちょう)が下りた時のような名残惜しさがある。自分はご機嫌伺いのつもりでも、先方には負担になっていたのだから、申し訳ない気持ちもある。
年賀状じまいは産業界にも広がる。環境負荷の低減を目的としたペーパーレス化を理由に挙げる企業が多い。コロナ禍や原材料高で事務経費を抑える狙いもある。形式化した年賀状を廃止するにはよい機会なのだろう。
日本郵便によると、年賀状の発行枚数は最盛期の2004年に44億枚を超えていたが、10年から右肩下がりに。22年は20億枚を下回り、最盛期の半分以下に落ち込む。メールや会員制交流サイト(SNS)の普及が主因なのは言うまでもない。
年賀状には元旦の早朝に初めて汲(く)む若水のようなすがすがしさを感じる。添え書きの内容や文字の勢いから、差出人の息遣いが伝わってくるようだ。自ら年賀状じまいをするまで、デジタル全盛の時代でも、手書きの年賀状を送り続けようと思う。
(2022/12/8 05:00)
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