(2023/1/23 00:00)
バイオプラスチック・フォーラムは2月8、9の2日間、「バイオプラスチックの未来」をテーマに複数のオンラインセミナーを集めたウェビナーウィークを展開する。フォーラムを構成する9社が登壇し、バイオプラスチックで実現するカーボンニュートラルなどについて解説するほか、プラスチック産業の在り方を問いかける。
加工技術で世界に勝つために/可能性を秘めるポリ乳酸
ポリ乳酸(PLA)はトウモロコシなどの植物を材料としたバイオプラスチックです。最終的に水とCO2に生分解されるため、植物の生育過程でCO2が吸収され、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の切り札として注目を浴びています。製品として耐久性が高い一方、コンポストに入れると2‐3カ月で生分解するのも魅力です。
プラスチックの99.9%を占める化石資源由来の合成樹脂は、燃やすと化石資源由来のCO2を排出し、地球温暖化の原因の一つとなっています。こうした社会的課題から2005年の愛・地球博でバイオプラスチックが注目され、日本は研究や応用製品で世界をリードする存在でした。ただ、その後のリーマン・ショックで日本勢は市場から撤退を余儀なくされました。現在では欧米や中国に大きく遅れをとり、材料生産ではタイが一大供給国となっています。
一方、加工技術において日本は世界トップクラスの地位を保っています。一般的にバイオプラスチックの加工では、原材料の乾燥装置や射出成形機、金型に工夫とノウハウが必要です。日本が世界の先頭を走り続けるにはこれらの機械の要素技術開発が重要です。
本ウェビナーではバイオプラスチックの現状や課題について議論を深め、産業における可能性や展望を探ります。
現在のバイオプラスチック市場の状況
・生分解プラスチックの商品化に向けた情報の顕在化が必要
・用途開発が必要、射出成形品はカトラリー等が主流
・成形メーカーや商品企画の動向把握が必要
・展示会等で集めたリードや情報の共有と展開のプランが必要
・成形メーカーや商品企画の企業に可能性を示し、検討を促すことが必要
ウェビナーウィーク登壇企業=バイオプラスチック・フォーラム
小松技術士事務所(金型技術 PLA成形技術) *基調講演
テーマ:バイオプラスチックへの期待と課題
バイオプラスチック・フォーラムとは
サーキュラーエコノミー(循環型経済)、気候変動など世界的視野でプラスチック産業の在り方を考えることが重要になってきています。共通認識をいだいた方々が「意見を交換しリアリティのある企画、チャレンジ、イノベーションへ駒を進める機会を作ることからまず始めてみませんか?」という呼びかけに共感する方々が集うプラットフォームを作り、試験的な運用を始めることになりました。
(2023/1/23 00:00)