産業春秋/春闘をデフレ脱却・金融正常化の転機にしたい

(2023/2/14 05:00)

デフレ状態ではないが、デフレから脱却はしていない―。岸田文雄首相は日本経済の現状をそう指摘する。足元はデフレではないものの、デフレに逆戻りする危うい状況から抜け出せていない。

2022年12月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比4%上昇と41年ぶりの高い上昇率。日銀が目標とする2%の倍の伸び率だ。だがエネルギーや食品の高騰、円安といった外的要因によるコストプッシュインフレに過ぎない。

需要が供給を上回り、物価上昇圧力が強まるディマンドプルインフレには至っておらず、政府の“デフレ脱却宣言”は封印されたままである。

政府は14日、日銀の次期正副総裁の人事案を国会に提出する。総裁候補の植田和男氏は現行の異次元緩和の維持を支持するが、修正や出口戦略を見据えているとされる。金融正常化に向け、いかにデフレから脱却するかが大きな課題になる。

失われた30年、物価は上がらないものというデフレマインドが企業と家庭に染みついている。足元の大幅な物価上昇でマインドが変わり、企業の意欲的な賃上げで需給ギャップはプラスに転じるのか。日銀の景色が変わるだけに、いつにも増して春闘に期待したい。

(2023/2/14 05:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン