産業春秋/少子化の日中韓、知恵を出し合いたい

(2023/4/28 05:00)

日本の人口減少が止まらない。2056年に1億人を下回り、70年には現在より3割少ない8700万人まで減る。学校に例えると40人学級が70年に28人となり、教室に大きな空きスペースができる。事態の深刻さが想像できる。

国立社会保障・人口問題研究所によると、70年の合計特殊出生率(女性が生涯に産む子どもの数)は1・36で、少子化による出生率の低下が大きく影響する。一方、外国人の割合は1割程度に達する。

若者の9割が結婚し、2人以上の子どもを育てれば人口は1億人程度を維持できるという。現在の人口を維持するには合計特殊出生率で2・07(21年は1・30)が必要だ。月末に人口が世界最多になる見通しであるインドの2・00を上回る必要があり、現実的ではない。

中国や韓国も少子化は深刻だ。長く一人っ子政策を講じた中国は22年末に人口が21年末比で85万人減り、61年ぶりに減少に転じた。韓国の22年の合計特殊出生率は0・78と7年連続で過去最低を更新している。

労働力人口の減少に対処するため、日中韓による国際的な人材獲得競争も想定される。だがその前に、共通する課題の緩和に向け3カ国が協調し、知恵を出し合えないだろうか。

(2023/4/28 05:00)

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