産業春秋/あれから30年、デフレの長さを実感

(2023/2/15 05:00)

政府は14日、日銀の次期正副総裁の人事案を国会に提示した。総裁候補の植田和男氏(経済学者、元日銀審議委員)が正式に就任すれば、中長期的にデフレ脱却と金融政策の正常化という重責を担う。

デフレによる日本経済の長期低迷は、バブル退治のために行った1989年以降の急速な公定歩合引き上げと90年の不動産の総量規制が契機とされる。90年代にデフレ傾向に見舞われ、その後の“失われた20年”へと続く。

バブル退治に成功した日銀の三重野康総裁(当時)は“平成の鬼平”ともてはやされたかと思いきや、一転して不況の長期化を招いたとして批判の矢面にも立たされた。これほど毀誉褒貶(きよほうへん)が激しい総裁も珍しい。

公定歩合は90年に6%まで引き上げられ、91年7月には景気を下支えるための引き下げに転じている。小生は92年4月から3年半、日銀記者クラブに常駐。バブル崩壊直後だった。

赴任から半年後の92年10月、三重野総裁がソフトボール大会を主催した。日銀クラブの記者らとの懇親を深めるのが目的で、メディアの毀誉褒貶が影響したのかどうか。あれから30年余りが経つ。当時を懐かしく思い出しつつ、デフレ脱却への道のりの長さを実感する。

(2023/2/15 05:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

↓もっと見る

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン