革新のガス検知器。船舶・陸上・地下のあらゆる作業シーンに1台で対応。ポータブルガス検知器「GX‐9000シリーズ」。【PR】

(2023/5/16 00:00)

 理研計器が発売したポータブル型ガス検知器「GX-9000」シリーズは、1台で最大6種類のガスが測定でき、1000通り以上の組み合わせからニーズに応じた組み合わせに対応した画期的製品。耐久性や運転時間の向上、自社開発の新型センサ搭載など数々の新機軸を盛り込んだ。技術部の小野さん、営業技術部の安藤さん、田村さんに新製品の特徴や今後の戦略を聞いた。

  • 左から安藤さん、小野さん、田村さん

―ロングセラーとなったポータブル型マルチガス検知器の8000シリーズの後継機「GX-9000」シリーズの特徴を教えてください。

田村

従来の可燃性ガス、酸素、硫化水素、一酸化炭素、二酸化炭素(CO2)に加え、揮発性有機化合物(VOC)、アンモニアや塩素などを検知対象ガスに追加。合計で最大6種類のガスを同時に1台で検知できます。自社開発の耐久性の高い「Rセンサ」「Fセンサ」を搭載し、マイナス40度-60度Cでの動作や1・5メートルの落下耐久性、IP66/68対応など耐久性に優れています。ポンプによる吸引も従来の30メートルから最大45メートル、連続使用時間も従来の12時間から25時間へと大幅に拡大しました。近距離無線通信規格「ブルートゥース」とスマートフォン用の専用アプリ「RK Link」で測定結果を簡単に管理することも可能です。

  • 左:GX-9000 右:GX-9000H

―具体的にどのように使う製品なのでしょうか。

安藤

例えば原油や液化天然ガス(LNG)を輸送する船舶では、載荷を下ろした後に清掃などで人が入る前に、爆発を防ぐためにまず不活性ガスを送り込み、タンク内の可燃性ガス濃度を下げます(パージ)。パージ後は酸素が欠乏するため、酸素濃度が上がるまで大気を送ります。その際、可燃性ガス濃度が下がっていることや酸素濃度が上がっていることをチェックするために使います。船舶のタンク以外にも閉鎖区画の硫化水素、酸素濃度や修理時にタンク内に残った残留ガス濃度の測定に使用することも想定しています。一定の条件を満たした船舶は、ガス検知器を備えたり使用することが、タイタニック号の海難事故を受けて締結された「海上における人命の安全のための国際条約」(SOLAS)をはじめとするルールで求められています。

―開発にあたって苦労したことはありますか。

小野

どの部分も難しかったですが、製品の用途から「本質安全防爆構造」でなければならず、決して着火源になってはならない構造とする必要がありました。電池は単独で安全でなければいけないし、仮に電気回路が短絡故障を起こしたとしても何重もの保護で安全を担保する必要がある。静電気もおこしてはいけない。複雑なセンサを使いながら、理論と実験と数値を積み上げた努力の賜だと思います。

―新たに搭載したRセンサ、Fセンサについて教えてください。

安藤

Rセンサはポータブル型製品用に開発し、世界最小クラスのサイズを実現したのが最大の特徴です。これに対してFセンサは定置型向けに連続使用を想定した耐久性の高さや多様なラインアップを持っています。これらを組み合わせて、同時検知可能なガスを4種類から6種類、検知対象ガスを7種類から15種類に増やすことが可能になりました。Rセンサ、Fセンサは高性能化と同時に、保証期間が最大3年と大幅に伸びています。これらのセンサを搭載した当社の別の製品ではガス検知器の性能に関する欧州連合の統一規格「欧州EN規格」を取得しています。同規格は要求レベルが高く、国内メーカーの同様のガス検知器で認証を取得しているのは当社だけです。GX-9000シリーズでも、もちろん申請中です。

  • 世界最小クラスのサイズを実現したRセンサと耐久性の高さや多用なラインアップを持つFセンサ

―Rセンサ、Fセンサをどのように展開していきますか。

小野

今後、当社の新製品には基本的にRセンサ、Fセンサを採用し、従来センサを置き換えていく方針です。特に多様なガスへの対応が求められる半導体市場向けにFセンサのラインアップを増やしていけるよう計画しています。実際、超小型のRセンサの出荷はかなり好調ですし、Fセンサも堅牢性を求められるプラントや半導体分野向けに順調に出荷を伸ばしています。

―幅広い場所で活躍していきそうですね。

田村

当社のガス検知器は、すでにいろいろな産業で使用されています。例えば大型レジャー施設の地下ピット、食品工場のオーブンや地下トンネルを掘削するシールドマシンに装着されていたりと、むしろ使われていない場所を探すのが大変かもしれません。Rセンサ、Fセンサによりさらに活躍の場を広げていきたいです。

―海外市場でどのように展開しますか。

小野

各国の防爆規格に加えて、欧州EN規格(性能)、欧州舶用機器指令(MED)の認証取得に向けて作業を進めており、1年以内に取得できると見込んでいます。EN規格(性能)やMEDは、海外も含めて取得している製品は少なく、大きな強み、訴求力になると期待しています。ブルートゥースを活用した専用アプリには、従来の警報時にメール配信する機能に加え、お客様のご要望にお応えして測定結果を管理しやすいように記録する機能を新たに追加し、各国の電波法への対応を進めています。また従来機種は英語表示のみでしたが、それも多様な国の人が乗る外航船での使用を念頭に、16言語での表示機能を持たせました。

―グローバルな普及が期待できそうですね。

安藤

前機種の8000シリーズは船舶用を中心に国内外で5万台以上を出荷しました。GX-9000シリーズでは新市場の開拓も進める計画で、年間8000台の出荷を目指していきます。

(2023/5/16 00:00)

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