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(2023/8/21 05:00)
本部に環境整備/テキスト作成へ
日本ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)は、ロボットを扱える人材育成の体制強化に乗り出す。まずは実機なしで気軽にロボット操作を練習できる環境を協会本部内に整備し、2023年度中に会員企業が利用できるようにする。SIer協会では23年度の注力事業として「教育体系の整備」を掲げている。SIer人材の拡充で、国内外の生産性向上に寄与する狙いだ。
実機なしのデジタル教育手法は現在構築中で、ロボットに動きを教え込むための機材「ティーチングペンダント」とモニター画面を組み合わせる形式。人がティーチングペンダントで教示すると、モニター画面上のロボットがその設定に基づき動く仕組みだ。
SIer協会が入居する機械振興会館(東京都港区)などに訪問すれば、この仕組みを利用してロボット操作を練習できるようにする。練習用のテキストも作成中だ。
同協会では20年からロボットを用いたシステム構築(SI)を行う上で必要な知識や技術の習得レベルを測定する試験「ロボットSI検定」を開催している。ただ、実務経験3―5年を対象にした3級でも試験回によっては実技の合格率が50%を下回ることも珍しくなく、気軽に操作を練習できる環境整備が急がれていた。
ロボットSI検定を運用する中で、ほかの課題も判明してきた。検定用に複数メーカーのロボットを集めなければならないほか、ロボットの電源や重量なども考慮する必要があるため会場の選定も困難だった。
今回の仕組みの有用性が確認できれば、事前の練習に限らず、検定自体にも導入して実機の運搬負担軽減などにつなげることを検討している。
(2023/8/21 05:00)