[ ロボット ]
(2017/7/2 09:30)
人型の「ロボコップ」に続き
ハイテク活用に熱心な中東・ドバイのドバイ警察が、今度は自動運転の小型無人パトロールカーを年内に導入し、市内の警備や犯罪捜査に役立てることになった。ドバイ警察ではこれに先立つ5月、車輪で移動する人型のロボット警察官も公開している。近い将来、中東屈指の都市国家の治安維持は、これら「ロボコップ」がその一部を担うことになりそうだ。
自動運転パトカーの導入に向け、ドバイ警察が6月21日に覚書を交わした相手は、シンガポールのオトソー・デジタル(Otsaw Digital)。同社が開発する「O-R3」は、高精細カメラ、2D/3Dのレーザースキャナー、赤外線カメラ、超音波センサー、GPS、長距離データ送信機などを装備。周囲360度の監視が行え、障害物を避けながら自律運転で走行できる。オトソーによれば、ドバイがO-R3の運用される世界初の都市になるという。
顔やナンバープレートを認識、ドローンで追跡も
さらに、この車両は顔認識や車のナンバープレートを読み取る機能も備え、指名手配中の犯罪者や法律を破ったと見られる人物、不審なモノなどを屋外で発見するのに役立てられる。必要に応じて車体後部からドローンを発進させ、カメラ映像を見ながら不審人物や不審車両の空からの探索・追跡も可能だ。
このほか、バッテリーの残存量が少なくなると自ら充電する機能を持ち、1日24時間、365日の稼働にも対応。ドバイ警察の司令室とリアルタイムでつながれ、カメラの映像を司令室からモニターしたり、遠隔操作したりもできる。
ドバイは「スマート・ドバイ・イニシアチブ」というスマートシティー構想を持ち、最新技術を導入することで、警察官を増やしたり多くの警察官を市内に重点配置することなしに、犯罪防止や捜査能力の向上につなげようとしている。
その一環として、5月には警官の帽子をかぶり、制服の柄にペイントされた人型ロボット警察官も導入。こちらはスペイン・バルセロナのパル・ロボティクス(PAL Robotics)が開発したもので、顔やナンバープレートの認識機能のほか、話しかけたり、胸の位置に取り付けられたタッチスクリーンを使って、市民が犯罪や事故を通報したりできる。
スマート・ドバイ・イニシアチブ関連では、ドバイ運輸省が「空飛ぶタクシー」の実用化に向けて、中国製の1人乗りドローンの試験運用に近く乗り出すことも明らかにしている。
【「O-R3」の説明動画】
(2017/7/2 09:30)