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(2020/4/20)
カテゴリ:商品サービス
リリース発行企業:LeapMind株式会社
優れた電力効率と面積効率を備えたアクセラレータを提供することで組込みAI製品の創出をリードします
AI(Artificial Intelligence、人工知能)の要素技術であるディープラーニング技術を活用する企業に向けたソリューションを提供するLeapMind株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表取締役CEO:松田 総一、読み方:リープマインド、以下LeapMind)は、ASICおよびFPGAの回路設計を行う企業向けに、超低消費電力AI推論アクセラレータIP「Efficiera(読み方:エフィシエラ)」および関連製品の提供を2020年秋から開始する予定であることをお知らせいたします。電力とコストに制約のあるエッジデバイスを開発しているお客様は「Efficiera」を利用することで、AI機能搭載カスタムデバイスの市場投入を促進できます。
Efficiera および関連製品概要
「Efficiera」とは、FPGAデバイス上もしくはASICデバイス上の回路として動作する、CNN1)の推論演算処理に特化した超低消費電力AI推論アクセラレータIPです。量子化ビット数を1~2ビットまで最小化する「極小量子化」技術によって、推論処理の大部分を占めるコンボリューションの電力効率と面積効率を最大化するため、最先端の半導体製造プロセスや特別なセルライブラリを使用する必要がありません。
本製品を利用することで、家電製品などの民生機器、建設機械などの産業機器、監視カメラ、放送機器をはじめ、従来は技術的に困難であった電力とコスト、放熱に制約のある小型機械やロボットなど、様々なエッジデバイスへディープラーニング機能を組み込むことができます。
また、LeapMindは関連製品・サービスとして、Efficiera専用の学習・開発環境であるソフトウェア開発用ツールキット「Efficiera SDK」、効率的にディープラーニングモデルの学習を行うための「Efficieraディープラーニングモデル」、LeapMindの知見に基づいたアプリケーション固有のセミカスタムモデル構築サービス「Efficieraプロフェッショナルサービス」を提供するため、お客様は独自のユースケースに適した極小量子化ディープラーニングモデルを構築することができます。
製品公式サイトURL:https://leapmind.io/business/ip/
主なユースケース
・画像認識による「危険検知・障害物検知」
建設機械などの産業車両使用時に、周囲の人や障害物を検出して安全を支援します。
・ノイズ除去による「撮影画像の画質改善」
低光量条件での撮影ノイズや画像コーデックによるブロックノイズを除去して画質を改善します。
・超解像による「映像の高解像度化」
低解像度な画像データを表示デバイスに適した解像度に変換します。
Efficieraの特長
「Efficiera」は、優れた電力効率および面積効率を備えているため、AI搭載製品の省電力化・低コスト化に貢献します。また、モジュールやデバイスではなく回路情報をライセンス提供するため、お客様は他の回路と同一デバイス上にEfficieraを集積することができ、AI機能を搭載した量産製品のBoMコスト削減に貢献します。回路のコンフィギュレーションは必要とされる性能や使用できる電力・面積要件に合わせて変更できるため、消費電力、 性能、 面積を柔軟に最適化することが可能です。
省電力:データの移動量とビット数を最小化することで、コンボリューションの演算処理に要する電力を削減します。
高性能:演算ロジック削減により、演算サイクル数を削減でき、面積・周波数あたりの演算性能を向上させます。
省面積:1-2bit量子化によって演算ロジックを削減することで性能を保ちながらシリコン面積を削減し、演算器1個あたりの面積を最小化します。
※ 2020年4月17日、コンピュータの国際学会「COOL Chips 23」にて発表した、Alchip Technologies, Limited社の協力の下、測定した開発段階での性能見積もり(PPA2)) 結果については、下記のプレスリリースに掲載しています。
▼ LeapMind、COOL Chips 23で自社開発AI推論アクセラレータIPの性能見積もり結果を発表
URL:https://leapmind.io/news/content/4991/
開発背景
近年、AI(Artificial Intelligence、人工知能)技術の中でも特にディープラーニングに大きな注目が集まっています。ディープラーニングにより、画像処理や音声処理など、いくつもの分野で劇的な精度向上が実現されてきました。しかし、その計算には多大なコンピューティングリソース(大容量のメモリと高い演算処理能力)が必要となり、電力とコスト、放熱に制約のあるエッジデバイス(端末)に搭載することを困難にしています3) 。この課題を解決するために、LeapMindでは「極小量子化技術」という手法を中心にディープラーニングモデルの軽量化に向けた研究開発を進め、Efficieraが誕生しました。今後もあらゆるエッジデバイスでの画像認識機能の組込みを可能にするために開発を進めてまいります。
Efficieraを支える、LeapMindの独自技術「極小量子化技術」
LeapMindは、「極小量子化技術」というディープラーニングモデルの軽量化のための技術開発に取り組んでいます。一般的に、32, 16ビット(FP32, FP16データ型)のような広いビット幅の数値表現を利用すると推論結果の精度が向上する一方で、演算回路規模(面積)が大きくなり、処理時間や消費電力が増大します。逆に、ビット幅を狭め、1~2ビットのような小さなビット幅の数値表現を利用すると回路規模は小さくなり処理時間や消費電力は減少するものの、精度は低下することが知られており、省電力化・省面積化する際の課題となっていました。
しかし、弊社は極小量子化技術によって、精度を維持しながら、Weight (重み係数)を1ビット、Activation (中間データ)を2ビットといった極端な量子化を可能とし、大幅なモデルサイズの軽量化と高速化、および電力効率と面積効率の最大化を実現しました。
1) Convolution Neural Network(畳み込みニューラルネットワーク)の略称です。ディープラーニングの一種で画像や動画の認識に広く使われています。
2) Power, Performance and Areaの頭文字をとったもので、消費電力・性能・面積のことです。特に、電力供給に限りがあるエッジデバイスでは電力の問題はとても大きな課題です。
3) 他にも遅延を抑える・セキュリティを担保するなど、エッジデバイス上で実行するメリットは多く存在しています。
*文中の製品名は、LeapMind株式会社の商標または登録商標です。
*プレスリリース記載の情報は発表日現在の情報です。
LeapMind株式会社について
「機械学習を使った新たなデバイスを、あまねく世に広める」を企業理念に2012年創業しました。累計調達額は49.9億円に達しています。ディープラーニングをコンパクト化する極小量子化技術に強みを持ち、自動車産業など製造業中心に150社を超える実績を保有しています。ソフトウェアとハードウェア両面の開発ノウハウを元に、半導体IPも開発しています。
本社:〒150-0044 東京都渋谷区円山町28-1 渋谷道玄坂スカイビル 5F(受付:3F)
代表者:代表取締役CEO 松田 総一
設立:2012年12月
URL:https://leapmind.io
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