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Arm、次世代のコンピュテーショナル・ストレージを支える、シリーズ最高性能のリアルタイム・プロセッサ「Arm Cortex-R82」を発表

(2020/9/4)

カテゴリ:商品サービス

リリース発行企業:アーム株式会社

Arm、次世代のコンピュテーショナル・ストレージを支える、シリーズ最高性能のリアルタイム・プロセッサ「Arm Cortex-R82」を発表


英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)は、64ビットをサポートしLinuxにも対応した最高性能のArm Cortex-Rプロセッサである「Arm Cortex-R82」を発表しました。このリアルタイム・プロセッサは、次世代のエンタープライズ・ソリューションやコンピュテーショナル・ストレージ・ソリューション向けに設計されており、データが格納されたストレージ内での高速なデータ処理を可能にします。

発表の概要:


Arm Cortex-R82は、64ビットをサポートしLinuxにも対応した、Cortex-Rシリーズ最高性能のリアルタイム・プロセッサ
次世代のエンタープライズ・ソリューションやコンピュテーショナル・ストレージ・ソリューション向けに、データが保存されているストレージ内での高速なデータ処理を可能に
Linuxやサーバー分野の広範なArmエコシステムとともに、さらなるパフォーマンスと大容量メモリへのアクセスを実現


IoTのデータ量は、2025年には79ゼタバイトを上回ると予想(*1)されますが、本当の価値は、そこから導き出される知見にあります。データソースの近くであればあるほど、セキュリティ、レイテンシー、電力効率も向上し、私たちはより効果的にデータから洞察を導き出すことができます。ストレージデバイス自体に演算能力を持たせることで、企業の重要情報に対するセキュアで迅速、簡単なアクセスを実現できるコンピュテーショナル・ストレージは昨今、データストレージの分野で大きな脚光を浴びています。
*1) https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS45213219

ストレージ分野での実績と専門知識を有するArmは現在、この市場のニーズの変化に対応する上で強力な立場にあります。HDDおよびSSD用コントローラーの約85%はArmベースであり、すでに数十億個ものストレージデバイスに採用されたArmは信頼されるパートナーとなっています。本日発表するArm Cortex-R82は、Arm初の64ビット、Linux対応可能のCortex-Rプロセッサーとして、次世代のエンタープライズ・ソリューションやコンピュテーショナル・ストレージ・ソリューションの開発・導入を加速できるよう設計されています。

データが保存された場所で洞察を導き出す
データにより近い場所で処理を行うには、より高いパフォーマンスが要求されます。ワークロードによって異なりますが、新しいArm Cortex-R82は、前世代のCortex-Rプロセッサとの比較で最大2倍のパフォーマンスを発揮します。これにより、ストレージ・アプリケーションでは、より低いレイテンシーで機械学習などの最新のワークロードを実行できるほか、オプションのArm Neonテクノロジーによって、さらなる高速処理にも対応します。Cortex-R82は64ビットで、最大1TBのDRAMにアクセスできるため、ストレージ・アプリケーション内での高度なデータ処理が可能です。

従来のストレージ・コントローラーは、ベアメタル/RTOSワークロードを実行して、データの保存・アクセスを行います。しかし、Cortex-R82にはオプションのメモリ管理ユニット(MMU)が導入されており、ストレージ・コントローラー上で直接リッチOSが動作することで、コンシューマー向けデバイスとエンタープライズ向けデバイスの双方へのメリットとして、新たなアプリケーションや進化したアプリケーションが実現する機会が生まれます。

さまざまなアプリケーションで価値を創出
ストレージ内でのデータ処理は、IoTや機械学習(ML)、エッジコンピューティングなど、さまざまなアプリケーションにおいて膨大な機会を生み出します。データベースのアクセラレーションのような一般に想定されるストレージのユースケースでは、この機能は極めて重要であり、大規模なファイルの移動がなくなるだけでなく、セキュリティとプライバシーも向上できます。また、動画のトランスコーディングでは、ストリーミング時のデータの効率的なトランスコーディング/エンコーディングが可能で、必要に応じて異なるビットレートや解像度を適用できます。さらに交通などの用途でも重要性は高まっており、例えば飛行機からは1日に数テラバイトものデータが生成されますが、これは通常はオフロードすることにより分析に回されます。コンピュテーショナル・ストレージを利用することで、航空会社は、こうしたドライブ上のデータをリアルタイムで分析できるようになります。これにより、飛行機の着陸時には30分足らずの間に次のフライトの安全性を検証でき、ターンアラウンドタイムを短縮しつつ乗客の安全性を向上できます。

キーワードは「柔軟性」
ストレージ市場が進化する中、パートナー企業から寄せられる最も大きな要望の1つに、柔軟性が挙げられます。Cortex-R82プロセッサーの新機能により、パートナーは、最大8コアのマルチコア実装を設計し、ソフトウェアの外部要求に基づき、ストレージ・コントローラーで実行されるワークロードの種類を調整できます。例えば、駐車場では映像監視機能を定期的に使用してナンバープレート情報を認識し、その後の請求に利用できます。日中はナンバープレートのデータが収集され、大半のコアは集中的にストレージに使用されます。夜間になると、これらのコアは請求用のデータ処理に使用され、必要に応じてデータ分析と機械学習を行うように調整します。さまざまな市場と機能に対応するためストレージ・コントローラーが多様化する中、Cortex-R82のアーキテクチャは、このような並外れた柔軟性をもたらすことで、コスト低減と市場投入期間の短縮化に貢献します。

開発者にとっては、より迅速なスタートが可能に
こうした将来的なユースケースに必要なSoCを開発するため、Armのパートナーは、簡単でコスト効果の高いテクノロジーを必要としています。また、おそらくさらに重要な点として、ソフトウェアが有効に機能していることを把握する必要があります。Armは常に、パートナーの複雑性とコストを軽減できる方法を模索しており、Cortex-R82においても、Linuxおよびサーバー分野の広範なArmエコシステムの力を活用することが可能です。Linuxを実行できることで、開発者はDockerやKubernetesなど一連の新しいソフトウェア・ツールやテクノロジーをストレージ・アプリケーションに活用でき、より短期間での実装が可能となります。Cortex-R82は、Armのセキュリティ基盤も活用でき、Arm TrustZoneとの互換性を有しています。これにより、ストレージ・コントローラーのファームウェアは、他のLinuxやリアルタイムのワークロードとは隔離されます。

数十億個規模のコネクテッドデバイスで構成される世界では、データ処理をクラウドだけに任せる訳にはいきません。将来的なIoT環境からより効率的かつセキュアに洞察を導き出し、データから最大限の価値を引き出せるよう、Arm Cortex-R82はビジネスを支援します。

Armについて
Armのテクノロジーは、コンピューティングとデータによる革命の中心として、人々の暮らしや企業経営のあり方に変革を及ぼしています。そのエネルギー効率に優れた高度なプロセッサ設計は、1,700億個以上のチップを通してインテリジェントなコンピューティングを実現してきました。Armのテクノロジーは各種センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、さまざまな製品をセキュアにサポートしており、世界人口の70%以上に使用されています。さらに、このテクノロジーにIoTソフトウェアやデバイス管理プラットフォームを組み合わせ、顧客がコネクテッドデバイスからビジネス価値を生み出すことを可能にしています。Armは現在1,000社以上のテクノロジーパートナーとともに、チップからクラウドまで、演算が行われるあらゆる分野における設計、セキュリティ、管理を支える技術の最先端を担っています。

全ての情報は現状のまま提供されており、内容について表明および保証を行うものではありません。本資料は、内容を改変せず、出典を明記した上で自由に共有いただけます。ArmはArm Limited(またはその子会社)の登録商標です。その他のブランドあるいは製品名は全て、それぞれのホールダーの所有物です。(C) 1995-2020 Arm Group.

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