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半導体製造工場等向け大型アンモニア回収装置、当社最上位モデル『LEGEND』販売開始

(2022/4/25)

カテゴリ:商品サービス

リリース発行企業:木村化工機株式会社

半導体製造工場等向け大型アンモニア回収装置、当社最上位モデル『LEGEND』販売開始

当社は地球環境への取組みとして、温暖化対策であるCO2削減および省エネルギー化を、継続して社会にご提案させていただいております。このたび、CO2の大幅な削減および省エネルギーを可能とする当社新開発商品ハイブリッド型MVR※1式アンモニア回収装置『LEGEND※2』(以下「LEGEND」)の販売を開始します。  LEGENDは、半導体製造工場で排出される大量のアンモニア含有排水からボイラー蒸気を使用せずに電力のみで省エネルギーでアンモニアを回収できる装置です。


当社は、これまでアンモニア排水からアンモニアを回収する装置として、以下の3種類の装置を販売しておりました。

1.ストリッピング式アンモニア回収装置
蒸留塔に直接ボイラー蒸気を吹き込む小型タイプ。消費エネルギーが多い。

2.ヒートポンプ式アンモニア回収装置
https://www.kcpc-engineering.co.jp/ede/nh3-rqp/
ヒートポンプを使用し、電力のみで運転が可能。比較的小型の装置に向いており、処理量10t/hr以下でメリットが大きい。

3.MVR式アンモニア回収装置
https://www.kcpc-engineering.co.jp/ede/mvrtype-ammonia-receqp/
 アンモニアベーパーを圧縮機で直接断熱圧縮する大型の高効率機種。但し、僅かではあるが、ボイラー蒸気を使用する。


LEGENDは、MVR式で僅かに使用されるボイラー蒸気に対し、ヒートポンプによる回収熱で電力加熱するシステムを採用しています。ヒートポンプの追加は、単に蒸気を電力に置き換えただけでなく、処理水のアンモニア除去効率を上げる効果と共に、第1リボイラシェルのアンモニア濃度を下げる効果もあることから、MVRの熱圧縮ファンの必要風量及びヘッドを下げる結果となっています。これによりトータルエネルギー消費量を大幅に削減することに成功しました。

従いまして、LEGENDが、ボイラー蒸気を使用しないということだけでなく、これまでの当社のどの省エネ装置よりも省エネ性能が高く、当社史上最高の性能であることから最上位モデルとして販売を開始することになりました。

LEGENDを新たにラインナップに加えたことにより、低コストでアンモニアを回収して再利用することが可能となり、窒素循環が実現可能となります。アンモニアの製造には、大量のエネルギーが消費されているため、アンモニアの循環再利用は、地球温暖化対策であるCO2削減、カーボンニュートラルに大きく貢献できると考えております。

表1:弊社従来方式とのランニングコスト比較


条件 処理量 :50t/hr(アンモニア濃度1wt% 8,000hr/年)
用役単価 :蒸気 5,000円/t 電力 13円/kWh
加熱に必要な用役費であり、ポンプ等補機を含んでいません。


●LEGEND仕様
装置型式 :ハイブリッド型MVR式アンモニア回収装置(特許出願中)
ヒートポンプとMVRとを融合させたハイブリッドタイプです。
標準処理量:10t/hr~100t/hr
(アンモニア排水濃度により変わります。)


LEGENDに採用したヒートポンプは、従来型のヒートポンプ式アンモニア回収装置に採用しているヒートポンプと同じ機種である『HEM-HR95-GN』を採用しています。

ヒートポンプは、装置から排出されている低温レベルの熱を回収し、有効エネルギーとして再利用できることから、蒸発・蒸留装置への適応が期待されてきました。

当社とコベルコ・コンプレッサ株式会社が共同開発した、高温・高加熱COP※3汎用ヒートポンプ『HEM-HR95-GN』(2019年9月9日発表)は、50~75℃の熱源水から95℃の高温水を最高加熱COP 7.5で回収することができる高性能モデルです。

図1:LEGEND(ハイブリッド型MVR式アンモニア回収装置)

※1:MVRは、自己蒸気機械圧縮型(Mechanical Vapor Recompression Type)です。
※2:LEGENDは、商標登録出願中です。
※3:加熱COPは、必要な加熱量を消費電力で除した値です。投入した電力1kW当たりの加熱能力を表した値で、値が高い程、高効率となります。


●LEGEND能力表
供給液に含有するアンモニア濃度が低いほどCOPが高くなります。




表2:アンモニア濃度とCOPの比較
  条件 処理量 :50t/hr (8,000hr/年)
     用役単価 :電力 13円/kWh
     加熱に必要な用役費であり、ポンプ等補機を含んでいません。


●スケール対策について
蒸留塔は、規則充填物のほか、シーブトレイ、バブルキャプ式にも対応します。
プロセス液にスケール性がある場合は、加熱面へのスケール対策として、缶出液を再加熱させるリボイラを使用せず、ヒータを設置し軟水を加熱して蒸発させた減圧蒸気を蒸留塔に吹き込むタイプもあります。



図2:MVR式蒸気吹込み型 ストリッピング装置




●従来型のアンモニア回収装置の説明

1. ストリッピング式アンモニア回収装置
蒸留塔に直接ボイラー蒸気を吹き込む小型タイプ。処理量当たりの消費エネルギーが多い。
図3:ストリッピング式アンモニア回収装置


2. ヒートポンプ式アンモニア回収装置
ヒートポンプを使用し、電力のみで運転が可能。比較的小型の装置に向いており、処理量10t/hr以下でメリットが大きい。

図4:ヒートポンプ式アンモニア回収装置

3. MVR式アンモニア回収装置
アンモニアベーパーを圧縮機で直接断熱圧縮する大型の高効率機種。但し、僅かではあるが、ボイラー蒸気を使用する。

図5:MVR式アンモニア回収装置


【補足説明】
当社ホームページで開発関連の動画がご覧になれます。
1. 世界初、低濃度アンモニア水から高純度水素を製造し燃料電池発電に成功
2. ヒートポンプ式アンモニア回収装置の開発
  https://www.kcpc-engineering.co.jp/challenge/

当社は化学プラントで大量に排出されているCO2を削減するためにボイラー蒸気を使用せず、100%電力のみで蒸発・蒸留を可能とする各種省エネ型ヒートポンプ式蒸発・蒸留装置を開発しました。蒸留には蒸気が必要との固定概念を打ち破り、電化によるCO2排出ゼロを目指しています。
電力は電気ヒータではなく、潜熱を有効利用できるヒートポンプ式を採用しており、当社独自のシステムにより高レベルの省エネルギーが達成できます。
https://www.kcpc-engineering.co.jp/ede/


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