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(2023/3/8)
カテゴリ:商品サービス
リリース発行企業:ベッコフオートメーション株式会社
ベッコフのコア技術OCTとEtherCAT Pが医療機器製造システムの画期的な省配線を実現
ベッコフオートメーション(ドイツ・フェアル)の製品や技術は、世界各国のさまざまな業界で活用されています。今回は、ドイツのサンクト・レオン・ロートに拠点を置く特殊工作機械メーカーMA micro automation GmbH(以下MA)によるベッコフ製品の導入事例を公表いたします。
MAは、医療技術や外観検査用の組立・調整・試験システムを製造しています。
同社では、基本的な機械構成に多種多様なモジュールを組み合わせ、医療用のカスタムシステムを設計するために、ベッコフ社のPC制御技術、OCT(ワンケーブル・テクノロジ )、EtherCAT Pを導入し、生産効率の大幅な向上を実現しました。
モジュール式機械構築の考え方
MAの機械製造では、コアタスクの各段階で一貫したモジュール化コンセプトが必要です。さらに、柔軟に構成できる制御技術やシステム配線が不可欠です。MAのオペレーション責任者であるDirk Striebel氏は、「私たちは、可能な限り標準的なモジュールを使用し、必要に応じて特別に開発した個別のコンポーネントで補うことを目指しています。」と、モジュール式機械構築についての基本的な考え方を説明します。
同社では、原則として、IVD装置「CENTAURI」とPOC装置「CERES」を基本プラットフォームとし、プロジェクトごとのニーズや要件に合わせて対応しています。これにより、同社のシステムは幅広いアプリケーションに適応できるのです。 MAは、診断用消耗品、医療用射出成形部品、インスリンペンや自動注射器、ピペットチップ*や反応容器など、幅広い用途の製造・検査・組立システムを提供しています。さらに、光学アセンブリなどの高い精度が求められるアセンブリに対応するため、独自の画像処理ソフトウェアシステムと、それを専門とする大規模なチームも保有しています。
* ピペットチップ:化学や生物分野などの研究・開発、品質管理の現場で溶液を量り取る際に使われるプラ スチック製の円錐形の筒。
最高精度で量産
パンデミックによるピペットチップの需要急増に対応するため、「CENTAURI IVD」をベースとした画期的なソリューションが開発されました。ピペットチップは実験室での診断で正確に定められた量の液体を採取し、試験容器に移すために使用されます。先端部の厚みと開口寸法は、コンマ数ミリ単位で計測され、少しでもズレがあると診断結果に影響します。 このためバルク品でありながら、精度が求められる製品なのです。
Striebel氏は、「製造工程でバリや変形などに注意し、目に見える欠陥があるピペットチップを確実に取り除くことが重要です。」と説明します。そのためMAでは、様々な検査ステーションを生産工程に組み込み、必要に応じて社内の画像処理ノウハウを活用できる体制を整えています。
MAは、第二世代の「CERES POCシリーズ」で、ラボ診断分野のポイントオブケア(POC)ラピッドテストを対象にしています。プラスチック成形から検査・包装までの全工程をカバーする柔軟性の高い生産ラインです。これをベースにしたシステムでは、年間3,000万件以上の検査が可能です。
技術的な理由で機種構成のいずれも適さない場合、カスタマイズのプロジェクトも請け負うことができ
ます。各種光学式インライン検査、ピペットフィルタの組み立て、上流・下流生産工程との自動接続
(ラック、エージング保管、包装など)、全自動の物流工程まで、すべて専用ツールで設定可能です。
体外診断用装置にもPC制御を採用
MAは世界各国の企業からペットチップ製造の自動化ソリューション設計を請け負い、その開発に成功しました。多くの企業より求められたのは、ラックに詰められたピペットチップを体外診断の医療機関に提供するために梱包、排出できる柔軟な自動化ソリューションを導入することでした。そのため、個々のピペットチップを0.1秒以下のサイクルタイムでバルク材から分離してラックに自動挿入し、最終的に包装しなければなりませんでした。
開発した装置は、最大128個のキャビティー(金型の凹側部分)を持つ射出成形金型により、多品種のピペット生産に柔軟に対応できます。ピペットの取り出し軸は、高い汎用性と拡張性を備えており、数ステップでキャビティーの数に順応させることができます。最終ラックへの挿入に必要な基準寸法は特殊な手法により算出されるため、ピペットチップは全自動の工程を数ステップで踏むだけでラックに到達します。その後、XTSリニア搬送システムにより搬送されます。
ワンケーブル・テクノロジーによる省配線
ベッコフのOCA(ワンケーブル・オートメーション)であるENPハイブリッドラインとEtherCAT Pの導入により、システム規模にもよりますが、最大100ラインもの節減が可能です。これによりケーブルの組み立てや取り回し、制御盤への配線が不要になり、エラー原因を低減できます。I/Oボックスモジュールとシステムラインは、異なる色のリングを使用して配線できます。また、ハイブリッドコネクタはバヨネットロックを実装しているため、安心して識別することが可能です。
EtherCAT Pにより、ケーブルの長さやそれによる電圧降下など、配電に関する問題は事実上解決できます。同様に、配電用のEtherCATボックスモジュールEP9214やEP9224を使用すれば、様々なデータコンセプトの実装や再設計が可能です。さらに、EtherCATの豊富な診断機能とEtherCAT Pの技術拡張により、障害発生時のトラブルシューティングが簡素化されます。
最終的な組み立ては、熟練した電気技術者でなくとも概ね完了できるよう、あらゆる配慮がなされています。「24Vセンサやアクチュエータの世界では、間違いなく簡単に組み立てできるシステムが主流になっています。」とStriebel氏は強調した上で、さらに一歩先を見越したシステムの組み立て、分解、再組み立ての簡素化に努めていると話します。「エンドユーザでコスト負担の大きい作業を減らし、最終組み立て段階の処理時間を短縮することを目指しています。」 ベッコフは、この分野においても、長年の信頼できるパートナーとして、またシステム部品の供給元として、さらに同社に大きく貢献しています。
記事全文:https://v2.nex-pro.com/library/NTA0NDM=
システム動画:https://www.youtube.com/watch?v=Y4cZKuFnku4
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