SOT23パッケージを採用した小型・省エネDC-DCコンバータICを開発

部品面積従来比72％減の小型パッケージで民生・産業機器の電源部小型化に貢献


SOT23パッケージ採用DC-DCコンバータIC
要旨ローム株式会社（本社：京都市）は、冷蔵庫、洗濯機、PLC、インバータなど民生機器・産業機器アプリケーションに最適な、小型DC-DCコンバータIC「BD9E105FP4-Z / BD9E202FP4-Z / BD9E304FP4-LBZ / BD9A201FP4-LBZ」の計4機種を開発しました。また、最大出力電流2A，スイッチング周波数350kHzのBD9E203FP4-Zも製品化を予定しており、ラインアップを強化していきます。



SOT23パッケージ採用DC-DCコンバータIC
新製品は出力電流1A～3Aで、いずれも小型SOT23パッケージサイズ（2.8mm×2.9mm）を採用。一般的なSOP-J8（JEDEC規格：SOIC8相当）パッケージ（4.9mm×6.0mm）と比較して部品面積を約72％削減できるため、電源部の小型化に大きく貢献します。また、ワイヤレス構造パッケージとしたことで、ワイヤーのインピーダンス（配線の抵抗成分）も削減しており、高効率動作を実現しています。
さらに、「BD9E105FP4-Z / BD9E202FP4-Z / BD9E304FP4-LBZ」は軽負荷モード時にCOT制御方式*1を採用。一般品と比較して軽負荷時の効率が改善されるため、待機電力を抑えたいアプリケーションに最適です。
新製品は2024年3月より量産（サンプル価格450円/個：税抜）を開始しています。インターネット販売にも開始しており、チップワンストップ(TM)やコアスタッフオンライン(TM)などから購入することができます。また、アプリケーション設計時の評価がすぐできるように、評価用ボードや各種サポートツールも準備しました。
ロームは今後もアナログ設計技術を駆使した製品の開発に注力し、民生・産業機器アプリケーションの小型・省エネ化に貢献していきます。

パッケージ面積比較
電力変換効率比較
背景
近年、民生機器・産業機器においては、アプリケーションの機能増加に伴って基板の省スペース化が求められており、小型DC-DCコンバータICの搭載率が増加しています。また、待機電力の削減も大きな課題となっていることから、DC-DCコンバータICには低電力時（軽負荷時）の高効率化も求められています。これらの市場要求に対して、ロームは既存のSOP-J8パッケージ品よりもさらに小型のパッケージで高効率化を実現した製品を開発しました。

ニュースリリースページ：https://www.rohm.co.jp/news-detail?news-title=2024-03-12_news_dcdc&defaultGroupId=false
SOT23パッケージ品ラインアップ

ラインアップ表
アプリケーション例3.3V/5V/12V/24V電源ラインアプリケーション
民生機器：冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど
産業機器：PLC（Programable Logic Controller）、インバータ、ACサーボなど



「入力パワーレール電圧 vs 出力電流（SOT23パケージ品）」*2：スプリアス　3：オーバーシュート防止機能　4：ESD　*5：EMI
インターネット販売情報販売開始時期：2024年3月から順次販売開始
販売ネット商社：
チップワンストップ(TM)、コアスタッフオンライン(TM)
それ以外のネット商社からも順次販売していきます。
販売品：



インターネット販売情報

評価ボードラインアップ表
評価ボード
各種サポートツール
Calculation Sheet
外付定数設計に使える応用回路の計算ツールです。説明に従って値を設定すれば、所望の特性を満たす回路パラメータを決定できます。
ローム公式Webサイトの各製品ページ内「モデルとツール」からダウンロードできます。
「BD9E105FP4-Z / BD9E304FP4-LBZ / BD9A201FP4-LBZ」

ROHM Solution Simulator
ローム公式Webサイト上で実行可能な無料のシミュレーションツールです。データシートに記載のトポロジーにおいて外付定数を変更することで、電源としての周波数応答の最適解を手軽に検討できます。
「BD9E105FP4-Z / BD9E202FP4-Z / BD9E304FP4-LBZ / BD9A201FP4-LBZ」
https://www.rohm.co.jp/solution-simulator
※ご利用にはMyROHMへのログインが必要になります。

その他コンテンツ
回路シミュレーションに使用できるSPICEモデルや熱設計や回路の設計・検証に役立つ情報をまとめたアプリケーションノートも各製品ページからダウンロードできます。
用語説明
*1）COT（Constant On Time：コンスタントオンタイム）制御方式
出力電圧を安定化するフィードバック回路制御方式の1つ。フィードバック電圧が基準電圧以下まで低下するとスイッチング素子がオン。そして固定オン時間が経過すると自動的にオフになる。軽負荷時に安定した出力が効率よく得られる。

*2）スプリアス（Spurious）
本来必要とされる所定の周波数を外れた不要な電波のこと。

*3）オーバーシュート防止機能
電源ICの出力電流が想定以上に大きくなってしまった場合、OCP（過電流保護）機能で出力を停止する。この停止から復帰する際には、一瞬オーバーシュート（過剰出力電圧）が発生し、復帰が遅れてしまうため、オーバーシュートの発生を抑制し復帰を速くする。

*4）ESD（Electro-Static Discharge：静電気放電）
電気を帯びた物体同士が接触し静電気（サージ）が発生する。この静電気（サージ）は回路や機器の誤作動や破壊を引き起こす。

*5）EMI（Electromagnetic Interference：電磁妨害）
EMIは対象とする製品を動作させることにより、どれだけノイズを発生し周辺のICやシステムに不具合を及ぼすかという指標の意味で用いられる。「EMI特性がよい」ということは、ノイズの発生が少ないということを意味する。
注) 「チップワンストップ(TM)」、「コアスタッフオンライン(TM)」は、各社の商標または登録商標です。

企業プレスリリース詳細へ
PRTIMESトップへ

情報提供元：PRTIMES
本リリースの掲載元：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000062988.html