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[ 科学技術・大学 ]
(2016/2/12 05:00)
アインシュタインが100年前に存在を予言した「重力波」の直接観測に成功したと、米カリフォルニア工科大学と米マサチューセッツ工科大学などの国際チームが12日未明、発表した。重力波は宇宙誕生直後の姿など光や電波ではできなかった観測を可能にし、新たな天文学を開く手段になると期待される。
重力波は質量を持つ物体が動く際、時空(時間と空間)のゆがみが波のように宇宙に伝わる現象。アインシュタインが一般相対性理論で予言したが、ブラックホールなど極めて質量の大きな物体が動いた場合でも、高精度の検出装置がないと捉えられない。これまで直接観測された例はなく、成功すればノーベル賞級の成果と言われてきた。
日本では、東京大学宇宙線研究所などが岐阜県の神岡鉱山地下に「KAGRA(かぐら)」を建設し、重力波の観測を目指している。KAGRA計画代表の梶田隆章所長は「重力波、および一般相対性理論の研究者が待ち望んでいた歴史的快挙。我々もKAGRAの建設を進めて重力波国際観測ネットワークに一刻も早く参加し、重力波天文学という新たな学問分野に貢献していく」とのコメントを発表した。
「宇宙政策、宇宙の解明に一層取り組む」馳文科相
馳浩文部科学相は12日の閣議後会見で、米国の研究チームが世界で初めて重力波を観測したことについて「素晴らしい研究成果であり、心からお祝いを申し上げたい。この成果を新たな研究の入り口とし、わが国も宇宙政策や宇宙の解明といった課題に一層取り組んでいく必要がある。2015年度内に東京大学の梶田隆章先生のところで研究が始まる。良い意味で弾みが付けばいい」と述べた。
(2016/2/12 05:00)
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