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[ 科学技術・大学 ]
(2016/6/23 05:00)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の松本徹宇宙航空プロジェクト研究員らは、小惑星「イトカワ」から回収した微粒子が40億年以上前に作られたと考えられる証拠を発見した。小惑星探査機「はやぶさ」で回収した数十マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の26個の微粒子をX線CTや走査型電子顕微鏡で分析。微粒子表面を調べた結果、ナノメートル(ナノは10億分の1)サイズの4種類の模様があることを突き止めた。
今回解析に利用した手法は、貴重な試料を傷つけず多くの情報を得られることから、地球外物質を分析する際の分析手法として期待される。
45億年前にはイトカワの元になる20キロメートル程度の大きさの母天体があり、その後1度破壊された。13億年前に破片が集まり現在の500メートル程度の大きさの小惑星イトカワになったと考えられている。今回解析した微粒子の中にイトカワの母天体があった時に作られたとみられる模様を発見した。
さらに太陽風により鉱物表面に水素やヘリウムが入り込み作られた“水ぶくれ”構造や、粒子同士がこすれて摩耗した模様も見つかった。こうした模様は1000年以上の時間スケールで起きる。微粒子の表面を観察することで小惑星の歴史を調べられる可能性がある。成果は地球科学と宇宙科学の国際誌ジオケミカ・エト・コスモケミカ・アクタ電子版に掲載された。
(2016/6/23 05:00)
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