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【電子版】先週の注目記事は?(解説つき)

(2016/7/26 05:00)

■ランキング・ベスト10(7/18~7/24)

1位 日産、軽エンジン開発を愛知機械に委託−先端技術へ集中

2位 【電子版】ソフトバンクが英半導体設計会社ARM買収に3兆円余り支払う理由

3位 スズキ、新型スイフト・ワゴンRの発売時期を延期−燃費測定不正で開発に遅れ

4位 グリーンペプタイド、川崎の研究拠点稼働−新薬候補の創製へ

5位 革新の系譜・日本の科学技術力/カーボンナノチューブ−産業応用へ開発本格化

6位 東芝、半導体生産を共通化−受託製造事業で収益力強化図る

7位 【電子版】ソフトバンク、英ARM買収を正式発表-過去最大規模の3・3兆円で、IoT事業強化

8位 宇宙開発、新段階に−JAXA、ロケット性能向上で衛星打ち上げサービス拡大へ

9位 特許庁、海外特許の日本語検索を実現−世界8割をカバー

10位 東芝、米WDと連携強化−半導体メモリー、四日市工場に1.4兆円

■解説:ソフトバンクが英半導体設計会社ARM買収に3兆円余り支払う理由/ソフトバンク、英ARM買収を正式発表-過去最大規模の3・3兆円で、IoT事業強化

 ソフトバンクグループが買収する英半導体設計大手のARM(アーム)は、スマートフォン向けプロセッサーで95%もの高いシェアを持ち、2015年に顧客が出荷したARMチップ内蔵製品は150億個に上る。とはいえ、同期の売上高は1400億円にも届かず、あくまで単純計算だが、チップ1個当たりのライセンス料は10円を割り込む。優れた省エネ性能以外に、この安さがARMチップの人気の秘密でもある。

 一方で、今回の買収を巡って、ソフトバンクとARMの事業面での相乗効果を疑問視する見方もあるが、そもそもアップル、クアルコム、サムスン電子、エヌビディアといった企業に半導体の設計図(アーキテクチャー)を提供するARMのような存在には、中立性が求められる。その意味で、ソフトバンクとはうまい組み合わせかもしれない。たとえばインテルのような半導体メーカーがARMを買収しようとすると、中立性を保つのが難しいうえ、独禁法上の問題も出てくる。何より、ソフトバンクのオファーを上回る買収額について株主を納得させるのは容易ではない。

 ただ、中立というARMの立ち位置は、顧客の領域であるハードウエアに乗り出さず、設計開発に徹することを意味する。スマホのプロセッサー向け同様、設計図のライセンス料が薄利だと買収資金の回収が長引くことにもなりかねず、逆に料金を上げると顧客の反発を招く恐れもある。買収の成果はひとえに、ARMチップによるサーバーなど新分野の開拓と、IoT市場の成長にかかっている。

(2016/7/26 05:00)

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