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[ 科学技術・大学 ]
(2016/8/22 05:00)
筑波大学医学医療系の矢作直也准教授と武内謙憲助教らは、肝臓での脂肪の合成を空腹時に抑制し、食後に促進する遺伝子の仕組みを明らかにした。たんぱく質「KLF15」が脂肪の合成に関与していることが分かった。実験で肥満のモデルマウスの肝臓でKLF15の発現を増強させたところ、血中の中性脂肪値が低下。血液中の脂質が一定基準より多くなって動脈硬化を引き起こす疾患「脂質異常症」が改善した。
in vivo(生体内)イメージング装置を用い、食事の摂取状況によって中性脂肪を合成する経路を制御する遺伝子「SREBP―1」を生きたマウスの肝臓内で可視化した。
絶食時には肝臓の核内でSREBP―1のプロモーター(遺伝子発現に関与する領域)にKLF15を含むたんぱく質複合体が形成され、これによって中性脂肪の合成が抑制されることを突き止めた。一方、摂食後には同複合体からKLF15がなくなり、中性脂肪合成が促進されることも明らかにした。
これまで、SREBP―1が食事の摂取状況によって中性脂肪合成経路全体の遺伝子の発現を制御する仕組みは分かっていなかった。肥満や脂質異常症の治療法の開発につながる可能性がある。成果は米科学誌セル・リポーツ電子版に掲載された。
(2016/8/22 05:00)
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