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[ 科学技術・大学 ]
(2016/9/2 05:00)
2020年の東京五輪・パラリンピックでは世界から多くの人々が日本に訪れる。現場ではさまざまな言語が飛び交うことになる。この時に会場や観光地への案内、病気にかかった人への対応などに、現場のボランティアやスタッフなどが対応を迫られることになる。
総務省をリーダーとする4省が推進する取り組み「スマートホスピタリティ」の中で、多言語音声翻訳システムの開発が進む。情報通信研究機構(NICT)が開発した多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra(ボイストラ)」は、日本語や英語、中国語などの31言語に対応している。
例えば同アプリを入れたスマートフォンに日本語で「こんにちは」と発声すると翻訳され、英語で「Hello」と合成音声が出る。10年から研究開発用途で無料提供が始まっており、翻訳精度は年々向上している。
こうした翻訳システムは五輪会場や空港、鉄道、病院などさまざまな場所で利用されるだろう。現在は旅行会話程度だが、医療分野の単語や文章にも対応する。総務省の担当者は「20年までに訪日外国人が多いタイやインドなど10言語で医療分野を含めた日常会話レベルにまで適応したい」考えだ。
実際には声が聞こえにくい場所での使用や特殊文字を認識する必要なども出てくるかもしれない。「雑音処理といった企業の技術などを組み合わせ、実用化を目指したい」(総務省担当者)と、課題を解決するための取り組みを進めていく。
(金曜日に掲載)
(2016/9/2 05:00)
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