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[ 科学技術・大学 ]
(2016/9/15 05:00)
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科の岩崎剣吾講師、森田育男理事らは、大日本印刷などと共同で、印刷の多色刷りの技術を応用して積層構造の細胞シートを作る手法を開発した。歯の周辺組織を作る歯根膜幹細胞と、骨を作る骨芽細胞の2種類を積層。マウスの頭蓋骨の欠損部にシートを移植したところ、単層シートと比べて、移植後の骨の再生が2倍の速さで進んだ。
同大学生体材料工学研究所の岸田晶夫教授らとの共同研究。最大3種類の細胞を積層できる。歯周病で損傷した歯の周辺組織の再生や、血管の再建などへの応用を見込む。
同手法は、半導体製造で使う光リソグラフィー技術を応用。ガラス基板上に複数種の細胞を積層化し、細胞シートの土台となる羊膜に転写する。
今回の研究は、ヒトの出産時に排出された羊膜を使った。細胞シートの土台とするため、羊膜の組織から細胞を除去する「脱細胞化」の加工をした。移植後の拒絶反応の原因となる細胞を除き、細胞周辺の骨組みだけの状態にした羊膜を細胞シートの土台に使った。成果は14日、英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
(2016/9/15 05:00)
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