[ ロボット ]
(2016/10/5 05:00)
シナノケンシ(長野県上田市、金子元昭社長、0268・41・1800)は、倒立2輪ロボット「プレッグ」の最新版を完成させた。複数のロボットの位置を赤外線センサーで認識しながら、衝突させずに複雑な経路を走行させることが可能。決められた経路を進む従来版の仕組みを改め、技術のアピール度を高めた。高度な倒立2輪走行を可能にする制御技術などを発信し、ロボット用モーターなどの販売拡大につなげる。
プレッグは、同社がモーター関連技術を結集して開発したPR用ロボット。技術力を発信し、ロボット分野でモーターなどを拡販することが狙いだ。出力20ワット程度のDCブラシレスモーターを1台につき2個搭載する。
最新版では、1メートル四方の囲いの中を2―4台が秒速10センチメートル程度で衝突せずに動き回る。従来は磁気で床面に設定された経路に沿い、ロボットが移動する方式だったが、今回はパソコン上でプログラミングされた経路を忠実に再現できるようにした。ロボットの天頂部のセンサーと、囲いの縁に複数設置された赤外線投光器の働きにより、各ロボットの位置をパソコンなどで常時監視できる。
倒立2輪ロボットは角速度センサーで検知した本体の傾きを車輪の動作に反映させ、2輪でバランスをとりながら進む仕組み。一定の位置にとどまらせるのが難しいが、「プレッグは(揺れを極力抑え)静止状態にみせることができる」(FAビジネスユニット)という。
同社はこうした高度な制御を実現するモーター関連技術を売り込み、ロボット分野での事業拡大を図る。
5日にインテックス大阪(大阪市住之江区)で開幕する関西機械要素技術展に、プレッグを出展する。
(2016/10/5 05:00)