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[ 科学技術・大学 ]
(2016/11/8 05:00)
物質・材料研究機構構造材料研究拠点異材接着材料グループの内藤昌信グループリーダーらは、マグネシウムや鉄、アルミニウムなどの複合材用の防錆コーティング材を開発した。疎水性のポリメタクリル酸メチル(PMMA)の被膜を金属と強力に接着することに成功した。非常にさびやすいマグネシウムを保護でき、塩水につけても3カ月以上さびない。企業での長期耐久性評価試験が進んでおり、自動車用の複合材など、3年以内の実用化を目指す。
PMMAは水を透過させないため金属表面での酸化反応を防ぐことができる。ただ、PMMAを金属表面に塗るだけでは微少な隙間ができて、さびを防ぎきれない。そこでPMMAに低分子のドーパミンを結合させ金属と接合した。ドーパミンの二つの水酸基が金属と結合する。接着性が高く、傷がついてもさびが広がりにくい。
ドーパミンの添加量はPMMAに対し、10%程度ですむ。PMMAは汎用樹脂でコストを抑えられる。
PMMAの厚みが0・5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)と非常に薄い膜でも防錆効果があった。コーティング材の量を抑えられ、透明性も高い。通常の防錆塗料は数ミリメートルの厚みを確保することもあった。
マグネシウムは軽くて丈夫なため、次世代の構造材料として期待されている。合金化することで不燃化にも成功し、航空機部品への導入が進む。だが防錆が課題の一つだった。マグネシウム以外にも銅とアルミ、鉄で防錆効果を確認している。一つのコーティング剤で複数の防錆機能をカバーできるため、異種材料を組み合わせる自動車のマルチマテリアルに提案していく。
(2016/11/8 05:00)
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