[ 政治・経済 ]
(2016/12/27 14:30)
(ブルームバーグ)インドは2016年初めに世界の主要経済で最も速いペースでの成長を誇ったが、年末には著しい減速に見舞われ、モディ首相の最大の改革ともてはやされた統合市場の創出が遅れている。
痛手の大半は首相自ら招いたものだ。流通する紙幣の86%を廃止するモディ首相の先月の決定は売上税改革をめぐる政治的行き詰まりの要因となった。中央銀行総裁の交代や破産法改正などが続いた慌ただしい1年の終わりに、17年の激動の種がまかれた形だ。
S&Pグローバル・レーティングのクレジットアナリスト、アビシェク・ダングラ氏は「改革は長期的に構造的な恩恵をもたらすが、短期的には実行や調整でリスクを伴う」と指摘。キャッシュレス化や物品・サービス税(GST)導入は、税収増につながり、中期的には恩恵が見込まれると述べた。
インドの高額紙幣廃止は今年最大の関心事。農村部を中心に消費に打撃を与えるとのエコノミストの懸念を裏付ける兆候がデータに表れており、痛みの大部分は主要サービスセクターが吸収している。エコノミストによれば、雇用が失われて混乱が生じれば、工業生産と投資が圧迫される可能性が高い。
ブルームバーグが調査した予想中央値では、今年10-12月期の国内総生産(GDP)は6.5%増と、7-9月期の7.3%増から伸びが鈍化する見通し。
原題: Modi Own Goal Swamps India’s Big-Bang Year, Clouds 2017 Outlook(抜粋)
(2016/12/27 14:30)