[ 科学技術・大学 ]

蓄電池材、チタンで価格10分の1・エネ2倍-東京電機大が開発

(2017/1/10 05:00)

EV走行距離の増加期待

東京電機大学工学部環境化学科の藪内直明准教授らは、チタンを使い、一般的な「ニオブ系材料」を使う材料に比べ、価格を10分の1に抑えた高性能な蓄電池材料を開発した。リチウムイオン電池の高容量化につながるため、電気自動車(EV)の走行距離の増加などが期待できる。成果は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に掲載された。

研究グループは、安価な「チタン・マンガン系材料」を使えば、従来の材料以上のエネルギーが蓄えられる上、価格が10分の1程度に抑えられることを明らかにした。

チタン・マンガン系材料のエネルギー密度は1グラム当たり1000ミリワット時以上で、既存のEV用リチウム電池で使われている材料と比べて2倍のエネルギーを蓄えられるという。

これまでに、ニオブと酸素を酸化物イオンとして使うことで高容量が実現できることが分かっていた。しかしニオブは高価なため、EVやスマートグリッド(次世代電力網)用途への展開は難しいとされていた。

名古屋工業大学、立命館大学などとの共同研究。今後の展開として、さらにエネルギーを蓄えられる電極材料の発見につながる可能性がある。

(2017/1/10 05:00)

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