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[ エレクトロニクス ]
(2017/1/25 05:00)
東芝は24日、2月14日に2016年度第3四半期(16年4―12月)連結決算を公表し、同時に米原子力発電事業での損失額を報告すると発表した。さらに「収益体質強化および財務基盤の安定化に向けさまざまな施策について検討している」とのコメントを公表した。決算発表に先立ち、週内にも、確定値に近い損失額、半導体メモリー事業の分社・資本受け入れ、グループ企業の保有株式売却などリストラ策―を説明する見通しだ。
東芝は16年12月27日に、米原発事業の巨額損失問題を明らかにした。その後、公式な説明の場は設けていない。
綱川智社長は当初、損失額を「数千億円規模」と説明していた。しかし現時点で7000億円規模に膨らむ可能性が出てきた。
先週末に米原発子会社の現地調査を終え、足元では監査法人とともに損失額を最終確定する作業を進めている。週内に確定値に近い数値が出てくる可能性もある。
東芝の16年9月末の自己資本は約3600億円。7000億円規模の損失が発生した場合、17年3月期決算での債務超過が避けられない。それを回避するための「対策の要」(東芝幹部)が半導体メモリー事業の分社化だ。新会社に外部から2割程度出資してもらい、2000億円規模の資金を調達するシナリオを描いている。
すでに入札準備に入っておりキヤノン、東京エレクトロンなど事業会社のほか、欧米のファンドなどが興味を示しているもよう。東芝周辺からは「取引先など付き合いのある企業に出資してもらえれば、ありがたい」との声も聞こえてくる。
また保有するグループ会社株式も売却する方針。売却が容易との理由から上場しているグループ会社が主な対象とみられる。具体的には東芝テック、東芝プラントシステムなど7社で、すでに「証券会社に仲介を打診」(東芝の取引銀行幹部)している。
こうした措置に加え、好調なメモリー事業での利益の積み上げなどで3月末までに5000億円規模の資金を確保する方針。銀行団は最終的な損失額の確定を待って、今後の金融支援について検討する。
次の方針説明で東芝は理解を得られるか。経営危機を脱却するための最初のヤマ場を迎える。
(2017/1/25 05:00)
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