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[ エレクトロニクス ]
(2017/1/27 05:00)
東芝は半導体メモリー事業を分社して設立する新会社への出資受け入れについて、1社ではなく複数企業を入札で選定する方針を固めた。3月末までに予定する入札では、新会社株式の20%程度の出資を募る計画。提示額の多寡に応じて出資比率を決めることで競争を促し、各社からより多くの資金を調達する。東芝は資金調達額を最低2000億円規模と見積もるが、入札が活発になれば1000億円単位で上振れる可能性もある。
東芝が検討する入札手法は、最も高い価格を提示した企業だけでなく二番手以下の数社にも権利を付与する。一般的な入札のように1社に選定しないため、落札企業の出資会社への影響力は低くなる。このため入札への参加意欲をそぐ面もある。
これに対し、東芝は半導体メモリーの堅調な需要を背景にした新会社の事業計画を提示する見通し。上場メリットを入札企業に訴求して、多くの企業の入札を促す方針だ。
これによって、事業会社だけでなく、キャピタルゲインを狙うファンドなどにも入札を呼びかけるとみられる。現状では入札参加企業として米ウエスタンデジタル(WD)、キヤノン、東京エレクトロンなどの事業会社のほか、国内の銀行系ファンドなど10社程度の候補が挙がっているもよう。
ただ、メモリー事業で協業するWDは独占禁止法の規制が課題となる。このため東芝幹部が25日渡米し、WD幹部と対応を協議した。
東芝は米原子力発電事業での損失が7000億円規模に膨らむ恐れがあり、自己資本の目減りが避けられない。債務超過回避のためメモリー事業の分社化・出資受け入れを27日に開く取締役会で決議する見込み。3月末までに一連の入札手続きを終え、資金を得る考えだ。
(2017/1/27 05:00)