[ 機械 ]
(2017/2/7 05:00)
【立川】鬼塚硝子(東京都青梅市、鬼塚好弘社長、0428・31・4305)はシンメトリックス(茨城県つくば市)と共同で、純国産のX線発生装置の開発にめどをつけた。X線発生装置は日系大企業を除くと欧米製品が多く、日本の中小連携による開発は珍しい。発売は5月をめどに調整している。純国産化したことで価格は外国製品に比べて、2分の1以下の70万―80万円程度にできるとみている。
X線管の開発に強みを持つ鬼塚硝子が同部品を担当し、シンメトリックスがX線管の保持・冷却・X線遮蔽(しゃへい)ケース、電源装置を開発した。X線管はフィラメントを加熱するサーマルエミッション式を採用。X線管の真空度は、10のマイナス8乗パスカルの超高真空に仕上げた。
X線発生部の大きさは縦80ミリ×横80ミリ×長さ150ミリメートルで、電源部は縦145ミリ×横100ミリ×長さ180ミリメートル。X線発生部を電源部から独立させたことにより、X線照射口を上下左右などの任意の位置に設置可能。同装置を組み込む蛍光X線分析機器やX線透視撮影機器などの設計の自由度を高めた。
標準機の最大電圧は50キロボルトだが「ニーズに応じて変更可能」(鬼塚社長)とする。X線発生部のターゲット材質(標準装備は銅)を使用目的により、タングステンやモリブデンといった他の材質に変えることもできる。
蛍光X線分析機器などの製造コストは、約4分の1がX線発生装置という。製造原価を抑えられるX線発生装置として分析機器メーカーなどに売り込む。
今後、量産化を前提にした設計変更などをして、さらに製造コストを低減させる方針だ。
(2017/2/7 05:00)