[ ロボット ]
(2017/2/11 12:00)
ダチョウを思わせるような外観をしながら、草地や舗装されていない地面の上を難なく小走りに移動する二足歩行ロボットが開発された。米オレゴン州立大学(OSU)発ベンチャーの米アジリティー・ロボティクス(オレゴン州オルバニー)が8日発表した「キャシー(Cassie)」で、初期ロットは完売したという。研究開発や災害救助といった用途のほか、将来は荷物の配送などへの応用も見込まれている。
OSUで実施された二足歩行ロボットの研究開発プロジェクト「ATRIAS(エイトリアス)」の成果をもとに、共同創設者兼CTOのジョナサン・ハーストOSU教授らが2016年に会社を立ち上げ、キャシーを開発した。
エイトリアスではそれぞれの足を交互に持ち上げながら歩いていたのに対し、ダチョウ型のキャシーでは動物の動作や体の構造にヒントを得て、内蔵モーターがくるぶしや膝の部分にある複数の関節を曲げたり伸ばしたりすることで前後に歩行する。
しかも、制御ソフトウエアの改良に加えて、脚の付け根の股関節部分に前後・左右・回転の3方向の自由度を持たせ、スムーズで自然な歩行を可能にした。駆動系の効率化で小型化にも成功、外部から衝撃があったり足を滑らせたりした時にも、うまくバランスをとりながら転倒しにくくなっている。静止している時でも、脚を動かさずにバランスを取ることができる。ただし、価格は明らかにしていない。
IEEEスペクトラムの報道によれば、アジリティーでは近く、ロボットが転んだ時に自分で立ち上がれるようにする腕や、周囲の状況を把握するセンサーを追加の予定。さらに、災害現場など離れた場所の状況を確認するため、VR(仮想現実)のテレプレゼンス技術も開発中。将来は、「歩く自動車」のように、人が装着すると歩いて連れて行ってくれるエクソスケルトン(外骨格)型ロボットへの展開も想定しているという。
(2017/2/11 12:00)