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[ 中小・ベンチャー ]
(2017/2/14 05:00)
【仙台】エーアイシルク(仙台市青葉区、岡野秀生社長、022・724・7092)は、シルク生地に導電性高分子を印刷できるプリンターを開発し、3月に受注を始める。価格は仕様により約100万―500万円(消費税抜き)。主に医療分野など研究・開発用として販売し、5年後にも印刷機販売で4億円の売り上げを目指す。
プリンターでポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)と、パラトルエンスルホン酸(PTS)を化学反応させたものを生地に印刷して電極の機能を持たせる。あらかじめ印刷対象に霧吹きなどでPEDOTを吹き付けた後、プリンターでPTS粒子を塗布する。その後、3秒程度加熱して硬化する。試作品は既製の3Dプリンターを改造した。
印刷したシルク生地は高い導電率を持つ。肌触り、吸収性が良いシルクの特性を生かし、早ければ2017年にもスポーツ、医療・ヘルスケア分野向けに、心電や筋電など生体情報を検出するスマートウエアと、無線通信技術などを組み合わせたシステムを提供する計画。エーアイシルクは15年設立の東北大学発ベンチャー。プリンターに先立って導電性繊維「エーアイシルク」を開発している。研究開発や事業化で新エネルギー・産業技術総合開発機構のほか、ドレイパーネクサス(東京都千代田区)などベンチャーキャピタルが支援している。今後は独自素材のシルク電極、スマートウエア、プリンターの3本柱で事業を展開し、22年5月期に売上高12億円を目指す。
(2017/2/14 05:00)