[ 医療・健康・食品 ]

血液で遺伝子変異検出−DNAチップ研、新検査手法を開始−肺がん患者の負担軽減

(2017/3/21 05:00)

  • 血液検査で上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子の変異を検出するサービス「DiVA−EGFRチェック」

DNAチップ研究所は3月中にも、肺がん治療で推奨されている上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子の変異検出サービスを始める。採血だけで検査できるため、従来の組織を採取する検査に比べて患者の負担を軽減できる。価格は8万−10万円を想定。肺がん治療に関わる医療機関、医師に提案し、初年度に200−300件の販売を目指す。

新サービス「DiVA−EGFRチェック」は、大阪府立成人病センターの研究成果を基に共同開発した。DNAチップ研究所は血液中に循環する「遊離DNA」に着目。次世代高速シーケンサー(塩基配列解析装置)を使い、極微量なDNAからEGFR遺伝子の変異を探索する検査手法を開発し、高い感度の検査を可能にした。

肺がんの約80−85%を占める非小細胞肺がんの治療は、従来の抗がん薬以外に「イレッサ」や「タルセバ」など分子標的薬の使用が増え、がん細胞の遺伝子を調べて事前に薬が良く効くかが分かるようになってきた。EGFR遺伝子検査はその代表的な検査の一つ。

同社は国内の肺がん患者向けEGFR遺伝子検査の市場を年5万件程度とみており、医療機関に売り込む。

ただ、厚生労働省から保険診療の承認を得ていないため、患者は医療費を全額負担する自由診療となる。そこで2018年度末の承認を目標に17年度中に薬事申請し、承認取得後は年1万件規模の販売につなげる。

血漿(けっしょう)検体でEGFR遺伝子の変異を検出する体外診断用医薬品は、ロシュ・ダイアグノスティックス(東京都港区)が16年末に厚労省から適応追加を受け、発売している。

(2017/3/21 05:00)

関連リンク

ヘルスケアのニュース一覧

おすすめコンテンツ

ゴム補強繊維の接着技術

ゴム補強繊維の接着技術

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン