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[ 科学技術・大学 ]
(2017/4/27 05:00)
魚釣りなどの餌として市販されるガの幼虫が、ポリ袋の主な素材であるポリエチレンを食べて分解することが分かった。
英ケンブリッジ大学とスペイン国立研究協議会の研究チームが25日、米科学誌カレント・バイオロジー電子版に発表した。分解酵素の作用と考えられ、特定して生産できれば、大量のポリエチレンごみの処理に利用できるという。
この「ハチノスツヅリガ」の幼虫は、釣り餌としてはブドウムシ、ペットの爬虫(はちゅう)類などの餌としてはハニーワームと呼ばれる。もともとミツバチの巣を形作る蜜蝋(みつろう)を食べて育つため、有機化合物を分解する能力が高い。
研究チームがポリ袋一つに約100匹の幼虫を入れたところ、40分で穴が開き始め、12時間後にはポリ袋の重さが92ミリグラム減っていた。
化学分析の結果、幼虫の体内ではポリエチレンがエチレングリコールに分解されていた。この物質は自動車エンジンの冷却液に凍結防止のため添加する用途などが知られる。
(2017/4/27 05:00)