[ 地域経済 ]
(2017/5/16 05:00)
■基地跡地を有効利用/観光産業が経済けん引
沖縄県は15日、本土復帰45年を迎えた。1952年のサンフランシスコ講和条約発効で日本から切り離され、72年の復帰まで20年間も米施政下に置かれたことで、高度成長を経た本土との経済格差解消も課題となった。基地経済への依存度は大幅に低下したが、人口が集中する県中南部には広大な米軍施設が依然存在している。
沖縄県によると、米軍基地で働く日本人従業員の給与や軍用地料などの基地関連収入が県民総所得に占める割合は、72年度は15・5%だったが、2014年度は5・7%に低下した。
県民の8割強(約120万人)が暮らす中南部の都市圏では市街地を嘉手納基地(嘉手納町など)や普天間飛行場(宜野湾市)などの米軍施設が分断。交通や産業用地の確保で大きな制約があり、地域の経済振興の障害になっている。
県によると、米軍住宅跡地を再開発した那覇新都心地区(那覇市)の場合、返還前の経済効果(推計)は基地関連収入で年間52億円だったが、返還後は商業活動などにより1634億円となった。
沖縄県の富川盛武副知事は「跡地利用は相当活性化する。基地は経済の主体ではない」と話す。県は跡地有効利用を自立経済構築の柱に位置付ける。
一方、沖縄県を訪れる観光客は、復帰した72年は44万人だったが、2016年は861万人を記録。約40年前、ホテルの支配人を務めていた沖縄観光コンベンションビューローの平良朝敬会長は「復帰当時は7−8月は客がいなかった。クーラーの電気代を節約するためにホテルを休館した」と振り返る。
75年の「沖縄海洋博」を経て、リゾート地のイメージが定着。その後、順調に客数を伸ばした。平良氏は「今後、アジアの成長で市場が広がる。沖縄にとって大きなチャンスだ」と話し、観光産業が経済をけん引すると見る。
(2017/5/16 05:00)
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