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[ 科学技術・大学 ]
(2017/5/19 05:00)
愛知工科大学工学部の西尾正則教授らは、目で見える“人工の星”を夜空に作り出す超小型実験衛星「AUTキューブ2」のプロジェクトを進める。高度613キロメートルで、衛星に搭載した発光ダイオード(LED)を点滅させ、肉眼で見られる最も暗い「6等星」の星を作る。LEDの点滅を目で確認する技術の実証を行う。
同大を中心に、蒲郡製作所(愛知県蒲郡市)などの地元企業や愛知県蒲郡市などと計画を進める。西尾教授は、「衛星のLEDを点滅させ、スマートフォンで受け取るといった新しい光通信手段に使えるのでは」と期待する。
手のひらに載るサイズの超小型衛星「キューブサット」を利用し、夜空に肉眼で見える“星”を作ることがAUTキューブ2の特徴。将来、望遠鏡を持っていない人でも手軽に衛星を確認できるメリットは大きい。
衛星の大きさは1辺約11センチメートルの立方体で質量は1・68キログラム。2018年2月までに衛星を完成させ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に引き渡し、同年度中に国産ロケット「H2A」で打ち上げられる予定だ。
また衛星に魚眼カメラを2個設置し、撮影した画像を地上に送ることで、仮想現実(VR)のコンテンツの開発に生かす計画もある。「地球や太陽、月、星が同時に見られるのは宇宙だけ。地上でヘッドマウントディスプレーを装着し、宇宙遊泳を体感できるシステムを作りたい」(西尾教授)と地上での宇宙体験の実現に向けて計画を練る。
(冨井哲雄)
(金曜日に掲載)
(2017/5/19 05:00)