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[ 科学技術・大学 ]
(2017/5/19 05:00)
東京大学大学院工学系研究科の松久直司博士と染谷隆夫教授らの研究チームは、世界最高性能の伸縮性導体を開発した。ゴム内で銀ナノ粒子が自然に形成することを発見し、この新素材が元の長さの5倍に伸ばしても高い導電率を持つことを確かめた。印刷可能な伸縮性の配線を使って、圧力や温度センサーを衣服などの上に形成可能になり、スポーツウエアやロボットへの応用が進む。英科学誌ネイチャーマテリアルズ電子版に掲載された。
研究チームは、ゴムにマイクロメートル寸法(マイクロは100万分の1)の銀フレークを混ぜるだけで、銀ナノ粒子がゴムの中に均一に自然発生する現象を発見した。
この伸縮性導体は、ペースト状の材料を印刷することによって、ゴムやテキスタイルなど伸縮する素材の上に自由な配線パターンを形成可能。従来の伸縮性導体は伸長させると導電率が大幅に下がる課題があった。
高い伸縮性が要求されるスポーツウエア型のウエアラブルデバイスや、人間よりも高い伸縮性を必要とするロボットの人工皮膚の実現につながる。
科学技術振興機構(JST)の事業の一環で開発した。
(2017/5/19 05:00)