[ ロボット ]
(2017/6/7 05:00)
広島大学大学院工学研究院の高木健准教授と大西義典大学院生らは、飛行ロボット(ドローン)に後付けできるアームを開発した。荷物をつかんでも重心がずれない。ドローンの姿勢が崩れないため作業しやすい。パイプをつかんでとどまることも可能。高所にとどまって監視カメラとして機能するなど、ドローンの用途が開ける。2年内に技術移転先の企業を見つけたい考えだ。
アームの長さは50センチメートルで、重心の移動を打ち消すスライド機構を設けた。アームを伸ばしても40センチメートル程度の範囲までなら重心が変わらない。ペットボトルの回収や縄ばしごをかける作業に成功している。ドローンは飛行中にふらつきやすく、フックのような単純な機構では作業が難しい。アームを制御すれば、効率的に作業できるという。つかんだ後はアームは固定されるため飛行中に重心がふらつかない。
アームの重量は2・2キログラムで、4キログラムの物を持ち上げられる。ドローンの重量を含めてアームで自重を支えられる。屋内では鳥が枝にとまるように、ドローンがパイプをつかんでとどまることに成功した。この状態ではプロペラを止められる。橋やビルなどの高所にとどまってカメラで撮影したり、荷物を届ける着陸ポートを立体的に設計したりできる。
今後、屋外でアームがパイプをつかんだ状態からの離陸の信頼性を高める。市販のドローンに後付けでき、荷物にあわせて装着装置を作り込むよりも汎用性が高いという。内閣府の「革新的研究開発推進プログラム」(ImPACT)で開発した。
(2017/6/7 05:00)