[ 機械 ]
(2017/7/5 05:00)
■旭精機工業社長・山口央氏−2次加工減らすバネ機械
―出展の目玉は。
「加工線径が0・6ミリ―2・0ミリメートルのバネ機械『T2』だ。バネの曲げ・切断ユニットを三つから一つに集約した。バネの形状は顧客ごとに千差万別で、2次加工が必要な場合もある。集約で加工範囲が広がり、2次加工を減らせる。前回の出展後に改良した。加工線径が1・0ミリ―4・0ミリメートルの『T4』も出展するが、それも今後、ユニットを集約する予定だ」
―高速加工も強みとしています。
「バネ機械『CFX―5ES』は既存機種より加工速度を速め、世界最速レベルを実現した。自動車のエンジンバルブ用圧縮バネを毎分180個生産できる」
―IoT(モノのインターネット)を活用した予防保全についての考え方は。
「どのようなニーズがあるのか見極めている段階だ。機械の稼働データの分析により、顧客がどのようなことを欲しているのか知りたい。そのためにはどこまでデータを取れば良いのかという話もある。当社がこうしたことをできると提示する前に、ニーズをしっかり調査したい」
(名古屋・戸村智幸)
■日本電産シンポ社長・西本達也氏−EV向けプレスに照準
―出展の見所は。
「小型で高速・高精度・高剛性のプレス機が得意なキョーリブランドから、新型サーボプレス機を発表する。業界でも珍しい加圧能力60トンと80トンの小型機2種類を投入し、電気自動車(EV)向けモーター関連部品のプレス需要を取り込む。米国の日本電産ヴァムコの送り装置も目玉。治具にサーボモーターを用いて高速・高精度化し、段取り替え時間を大幅に短縮できる」
―受注状況は。
「スペイン子会社の日本電産アリサの大型プレス機は、欧州の自動車部品メーカー向けが好調で2017年3月期の受注は前期比3倍になった。米国や日本でも同様に自動車市場の需要を取り込む。米子会社で中大型プレス機を手がける日本電産ミンスターは製缶向けが好調。キョーリブランドは、スマートフォン需要増加に伴う電子部品向けが伸びた」
―今後の戦略は。
「多種多様な業界、地域への展開で経営リスクを軽減する。ヴァムコ製品は日本・中国向けのメンテナンスが手薄だった。製品対応を強化し、ソリューション提案を進める」(京都・園尾雅之)
■渋谷工業上席執行役員・道本弘和氏−新素材加工の対応訴求
―出展する機械は。
「レーザー加工機を3機種出展する。二酸化炭素(CO2)レーザー加工機はIoT(モノのインターネット)対応で生産性向上を支援する。レーザーアブレーション加工機はフレキシブル基板用高分子フィルムの切断に、3次元(3D)ファイバーレーザー加工機は非鉄金属の薄板の加工に、それぞれ強みがある。いずれも微細精密加工が可能だ。加工サンプルも複数展示し、新素材加工への対応を訴求したい」
―開発方針は。
「当社の特徴は顧客ごとの要望に応えてつくること。また、これまで培ってきた経験や技術を持ち寄り標準化した機械を開発することもできる。これを強化し、より早く商品ラインアップを拡充する。IoT対応もCO2レーザー加工機以外に拡大する。場合によっては、顧客の機密性の高い情報に触れることもあるだろう。そのために顧客とさらに密接に関わっていく」
―足元の受注状況はいかがでしょう。
「17年6月期は国内の自動車、半導体向けが好調だった。海外の比率はさらに伸ばせる」
(金沢支局長・本荘昌宏)
■コーレンス社長のトーマス・ノルティング氏−成形機・圧延機アピール
―出展の概要は。
「欧州を中心とした海外製産業機械の商社として、国内にアピールできる成形機や圧延機を紹介し、今年で出展3回目を迎えた。今年は150社ある取引企業のうち、ドイツ企業7社の製品をパネルや動画などで紹介する。自社で扱う製品を一般向けに公開するのは、同展示会が唯一。この機会に認知の幅を広げたい」
―見どころは。
「独オット・ビーラー製のマルチフォーミングマシンと、独ワフィオス製のワイヤフォーミングマシンの2製品の実演展示を行う。金属板材の曲げ加工を行うマルチフォーミングマシンと、ワイヤのブレを小さくし、曲げ精度や加工速度を向上するワイヤフォーミングマシンを動かすシーンが今回の出展の目玉。普段なら人目につかない場所で動かすものなので、この機会にぜひ見に来て、知ってほしい」
―出展の狙いは。
「昨今、高価なヨーロッパ製産業機械を買う環境が整ってきている。これまであまり縁のなかった企業にも訴求し、新規顧客も開拓したい」(高橋沙世子)
(2017/7/5 05:00)