[ 政治・経済 ]
(2017/7/5 10:30)
【ワシントン、ソウル時事】米国防総省は4日、北朝鮮が日本時間4日に発射したミサイルについて、大陸間弾道ミサイル(ICBM)だったと断定した。ティラーソン米国務長官も同日、ICBM発射と認定し、北朝鮮を強く非難する声明を出した。韓国軍によると、米韓両軍は日本時間5日朝、北朝鮮指導部への精密攻撃が可能な弾道ミサイルの発射訓練を日本海で合同で実施した。
国防総省報道官は、ICBM発射断定を受け、「(北朝鮮の)脅威から日韓両国や同盟国を守るとの米国の決意は断固たるものだ」との声明を発表。米韓の合同訓練は、ICBM発射を強行した北朝鮮への「強力な警告メッセージ」と位置付けており、北朝鮮と米韓の緊張が一段と高まっている。
米太平洋軍はミサイル発射直後、「中距離弾道ミサイルで、北米に直接の脅威はない」との判断を示していた。しかしICBM発射を断定したことで、米政府は、アラスカ州や米領グアムなどを射程に収める技術を持った北朝鮮の脅威を現実のものとして受け止めざるを得なくなり、トランプ政権が新たな対応を迫られるのは必至だ。
米当局者はNBCテレビに対し、弾道ミサイルの射程は少なくとも約5600キロメートルに達すると語った。この距離ならアラスカが射程に入ることになる。米メディアによると、2段式のICBMの可能性が高いという。
軍事専門家デービッド・ライト氏は、科学者組織「憂慮する科学者同盟」のウェブサイトで「通常軌道で飛行した場合、最大飛距離は約6700キロメートルに達する」と分析した。ICBMは通常、射程5500キロメートル以上のミサイルと定義される。
米政府にとって緊急の課題は北朝鮮への国際的圧力をより強化することだ。ティラーソン長官は声明で「世界規模の脅威を食い止めるため、世界規模の行動が必要だ」と関係国に連携を呼び掛けた。
韓国大統領府によると、5日朝の米韓合同訓練は文在寅大統領が指示した。鄭義溶国家安保室長がマクマスター米大統領補佐官(国家安全保障担当)と電話で協議し、トランプ大統領の了承も得た。文大統領は「われわれの確固とした対応能力を北朝鮮に示す必要がある」と強調した。
(2017/7/5 10:30)