[ 機械 ]

MF―Tokyo2017開幕−新素材加工・IoT提案など先端技術に注目(動画あり)

(2017/7/13 05:00)

  • 最新のレーザー加工装置といった先端技術に注目が集まる

塑性加工技術の専門展示会「MF―Tokyo2017〜第5回プレス・板金・フォーミング展」(日本鍛圧機械工業会、日刊工業新聞社主催)が12日、東京・有明の東京ビッグサイトで開幕した。IoT(モノのインターネット)との連携や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)など新素材加工、最新のレーザー加工装置といった先端技術の展示が多くの来場者の目を引いた。

今回は過去最大の出展規模となり、10時の開幕と同時に多くの人が詰めかけた。宗田世一日鍛工会長(エイチアンドエフ取締役相談役)は「参加企業が第1回の倍以上になった。今回も活発な商談で実り多い展示会にしてもらいたい」とあいさつした。

岡本繁樹経済産業省製造産業局素形材産業室室長は「創意工夫により回ごとに展示会が大きくなっている。学生の誘客に熱心な点も感心している。学生に展示会で技術を学んでもらえば、モノづくりが継承される」と祝辞を述べた。

会期は15日まで。3万2000人の来場を見込む。

     ◇     ◇

プレス機械や板金機械、フォーミング機械などの鍛圧機械の受注は1月から6カ月連続で前年同月比プラス。市場が堅調に推移する中、塑性加工技術の専門展示会「MF―Tokyo2017プレス・板金・フォーミング展」には有力メーカーが一堂に会し、工法提案やIoT(モノのインターネット)の活用など最新技術を披露している。

アマダHD/レンズ交換なしで連続加工

アマダホールディングスは出展機を5機種に絞り込み、120小間の広いスペースに並べた。うちファイバーレーザー加工機「ENSIS―3015AJ(3kW)」は、レーザーの中核技術「ENSISテクノロジー」を搭載した新型モデルだ。同技術は薄板から厚板までをレンズ交換などなしに連続加工できる。3kWモデルで「板厚22ミリメートルの軟鋼を相当きれいに切断できる」(磯部任社長)という。鋼材業を含めた厚板分野を開拓する。

コマツ産機/加工時間10%短縮

コマツ産機(金沢市)は今秋に投入する予定の3次元ファイバーレーザー加工機を披露した。自動車業界から徹底して求められる生産性の向上を追求し、従来に比べて加工時間を約10%短縮した。搬送装置の高速化により、段取りにかかる時間も短縮した。また、切断品質を改善する「パワーコントロール機能」を搭載している。ブースでは自動車向けのワーク(加工対象物)を加工するデモンストレーションを実施し、性能をアピールした。

アミノ/異種複合材を加工

アミノ(静岡県富士宮市)はメカニカルリンクサーボプレスを出展した。自動車業界での異種複合材(マルチマテリアル)の活用を踏まえ、冷間成形用のハイテン材やアルミニウム合金材の成形に加え、高温に加熱した材料を成形する「ホットスタンピング」も実演している。自動車部品の軽量化ニーズの取り込みも狙う。また独自開発したシステムを生かしてプレス情報を見える化し、加工の高度化を後押しする。

旭精機工業/世界最速水準のバネ機械

旭精機工業は世界最速水準のバネ機械を出展した。自動車のエンジンバルブ用圧縮バネを毎分180個生産できる「CFX―5Es」で、従来機種より毎分100個分高速化。会場では曲げ、切断を終えて次々とバネが完成する様子を披露。阿比留憲史常務は「高速化は生産性に直結するため、来場者の関心が高い」と手応えを感じている。欧州では工場の労働時間短縮のために高速化の需要が特に高いと見て、売り込みをかける。

村田機械/中小規模の顧客ニーズ対応

村田機械は「人材不足」「変種変量生産」への対応をテーマに出展。完全自動化にこだわらない現実的な提案で中小規模の顧客ニーズにも応える。ワーク(加工対象物)の図面や作業手順などを映像で機体の前面に投影するシステムを搭載した曲げ加工機で非熟練者の作業を支援。重い厚板の曲げ作業を補助する装置で省人化も可能。成形やタップ加工が1台でできるファイバーレーザー複合加工機なども紹介した。

トルンプ/窒素消費量70%削減

「過去30年で最大のコストダウンになるだろう」。独トルンプ日本法人のハルトムート・パネン社長はそう話し、新型レーザー加工機「トルレーザー5030ファイバー」を指さす。新モデルは、ステンレスの切断に使う窒素消費量を、従来機に比べて70%削減した。アシストガスは低圧でよく、増圧機が不要となっている。

同社では「今回の出展は、ゲームチェンジャーがキーワード」(パネン社長)と、レーザー加工の新標準に育てる考えだ。

→ MF-Tokyo2017特集

(2017/7/13 05:00)

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