[ ロボット ]
(2017/7/19 05:00)
ダイキン工業は2018年夏に、IoT(モノのインターネット)を使って工場のあらゆるデータがつながる仕組みを導入する。工場全体を最適化する視点で無駄をなくし、業界最短とされる空調機器の平均製造期間(リードタイム)を、さらに短縮する狙い。また、調達部品を含む工場内のすべてのモノを履歴管理(トレーサビリティー)に対応させ、部品1個ごとに品質を確認する。国内工場に導入した後、20年以降に海外へ展開する。
ダイキン工業はまず、堺市西区などにある業務用空調の生産拠点の堺製作所で、作業やモノの流れなどを計画・管理する製造実行システム(MES)を刷新する。センサーなどを使って収集する各工程のデータが、相互につながる仕組みを検証する。19年をめどに、同社のマザー工場でルームエアコンを生産する滋賀製作所(滋賀県草津市)にも、この仕組みを導入する。
工場内の半完成品や部品の流れを細かく把握しつつ、工程全体の中で流れが悪い部分を特定しやすくなる。こうした利点を生かし、手間と時間がかかる多品種少量の生産ラインでも、量産ラインの平均リードタイムの4時間に近づける。夏の需要期でも在庫を限りなく抑える。工程内の不良発生も、ほぼゼロを目指す。
このような仕組みを確立すれば、海外で新工場を立ち上げる際、日本から派遣する技術者の負担を減らせる。トレーサビリティーも強化され、発売後に調達部品の不具合などが判明した際、回収して修理すべき製品を特定できる。
ダイキンは設備の状態や製品の品質のデータを収集するなど、IoT対応を進めてきた。ただ、データが完全に統合管理されていないため、取得したデータを十分に分析できていない課題があった。
(2017/7/19 05:00)